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ハノーバー万博 2000

HAPPENINGText: Jo Kazuhiro

一つ目は「LAB.01」。 これはダイムラークライスラーがスポンサーとなっているパビリオンで、テーマは「DISCOVER THE NEXT(次の探求)」、入り口では「THE EVOLUTION OF INTERFACE(インタフェイスの進化)」と題したショートフィルムが上映されていた。

内部は触覚、聴覚、視覚、身体の4つの領域に分割され、聴覚では音声認識を利用した迷路ゲームやフォルマント合成機、視覚ではモーショントラッカー、身体では動きに反応して音と映像が生成されるシステム、といった様々なインスタレーションが展示されていた。8歳の時に訪れた、つくば万博1985で感じた興奮をここに来てようやく再び感じる事ができた。

2つ目は、万博テーマ館である、人類の歴史をユートピアという視点から遡る「PLANET OF VISIONS」と、21世紀以降の未来を博物館的な手法で示す「THE 21ST CENTURY」(21世紀)。まず、太古の建造物を模した巨大なパノラマによりユートピアが表現されており、岩に埋め込まれたタッチパネルに光のメッセージを入力し、そのメッセージと共に未来に進む仕組みになっている。

ここでは、21世紀の家具や服、かつら等が、更なる未来において発掘されたという展示形態を取り、それぞれに解説が付けられている。有機的に変化する椅子や、コンピュータと融合した本棚などこれからの未来を予感させる展示を幾つも見る事ができた。ただ、ほとんどがガラスケースの中だけで実際には動かない、アイディアの提案に過ぎないものだったことには、少し物足りなさを感じた。

全体としては、総合テーマはどこまで反映されているのかという疑問と、展示に対する少々の物足りなさを感じたが、それでも中には興味深い展示も多々あったので、近くに行く機会のある方は、この20世紀最後の万博を見てみると良いだろう。その際は夕方のチケットを購入することをお勧めする。2005年には日本でも愛知万博の開催が予定されているがその際はいったいどのような内容になるのだろうか。

EXPO 2000 HANNOVER
会期:2000年6月6日(火)〜10月31日(火)
会場:Hanover Fairground (Messegelände Hannover)
https://www.expo2000.de

Text: Jo Kazuhiro
Photos: Norimasa Hayashida

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