カール・グランディン

PEOPLEText: Victor Moreno

さらに、これらのコンセプトに言及した著書「ヒプナゴガ」を出版されたばかりですね。デザイナーとして10年以上活躍し、世界各地で展覧会を開き、オムニポロで大成功を収めた後です。この本は、あなたの作品集なのでしょうか、それともオムニポロについてのみの本なのでしょうか?

出版社から自分の作品の集大成を作るように言われ、その方法を思いつくのに時間がかかったよ。結局、過去20年間のプロジェクトの集まりなので、自主制作のアート、ショー、コマーシャルワーク、プロダクト、ビールなど、多岐にわたります。


Hypnagoga, Published by Kaunitz-Olsson, 2022 © Karl Grandin

本のアートワークのデザインはご自身でされたのですか?

2022年の大半を共にしたグラフィックデザイナーのアンナ・サグストロムとは、非常に緊密なコラボレーションができた。僕は本のレイアウトやグラフィックデザイン自体にあまり関与しないようにしていたのですが、アンナは素晴らしい仕事をしてくれた。また、彼女は、画像の選定やどのプロジェクトを掲載するかなど、本の編集にも大いに貢献してくれたよ。

この本はカウニッツ・オルソンから出版されていますが、なぜこの出版社を選んだのかを教えてください。

カウニッツ・オルソンは著名な出版社で、ヨアキム・ピリネン、ニナ・ヘミングソン、マーティン・ケラーマンなど、私が尊敬する作家やアーティストの本を数多くリリースしている。数年前に彼らから本を作らないかと打診があり、今年ようやく形にすることができたんだ。

現在、多くのビールブランドがよりアーティスティックなパッケージを採用していますが、デンマークのビール会社ミッケラーも、アーティストのキース・ショアが手がけた珍しいデザインのビール缶を先駆けて発表し、注目されました。北欧はパッケージデザインの最先端を走っていると思われますか?もしそうなら、それはなぜでしょうか?

ビールに関するデザインで思い浮かぶのは、オムニポロとミッケラーかな。世界中に、良いけれども、ありきたりなデザインもたくさんあるし、今後、もっといろいろな表現が出てくるといいよね。


The Omnipollo, Installation views from The Omnipollo at Kuvva Gallery in Amsterdam, 2014 © Karl Grandin

オムニポロのもうひとつの特徴は、ボトルにシルク印刷を施し、いわば紙のラベルを貼らないことです。この技術について、またスウェーデンでも生産しているのか、詳しく教えてください。

現在、僕たちのリリースのほとんどは缶入りで、あらゆる種類の容器にあらゆる方法で印刷しているけど、僕はシルクスクリーン印刷のボトルがとても気に入っているよ。シルクスクリーン印刷は、僕たちが最初に製造したビールから行っていることで、今でも機会があれば作っているよ。シルクスクリーン印刷のボトルのほとんどは、ベルギーにある印刷会社と一緒に作っている。


Omnipollos Tokyo, 9-5 Nihonbashi Kabutocho, Chuo-ku, Tokyo, Japan © Karl Grandin

先に述べたストックホルムの3店舗の他に、ハンブルグと東京に1店舗ずつオムニポロをオープンされましたね。今後、別の場所にオムニポロをオープンする予定はありますか?

僕たちは常にアンテナを張り、地球上にはもっとアクティブに活動したい場所がいくつもある。しかし、それぞれの場所にはそれぞれの雰囲気や魂があり、それらの要素がブランドのコアとうまく調和していることが重要なんだ。

あなたは、東京で何度か作品を発表しているほかに、常に日本文化に魅了され、そのマーケットに特別な関心を寄せています。東京でバーを開くという経験は、これまでどのようなものでしたか?また、日本に来て一番楽しいことは何ですか?

オムニポロス・トウキョウの設計と建設が終わったわずか数日後にコロナのために日本が閉鎖されたので、実は最初の2年間はバーを訪れることができなかったんだ。昨年10月にようやく行くことができたんだけど、素晴らしい場所だったよ。またすぐにでも行きたいね!

Text: Victor Moreno
Translation: Moeko Noguchi

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