クマ財団5期生展示会「KUMA EXHIBITION 2022」

HAPPENINGText: Taketo Oguchi

Part.01に続き、ANB Tokyoでは 4月1日からPart.02として作品を総入替えし、30名のクリエイターが出展。


Part.02の展示風景 ANB Tokyo

自作オセロAIで世界1位となった山名琢翔手塚蒼太の使い捨て可能な紙製のロボットハンド、青木快大の宇宙建築設計、一本一本をピクセルとした光ファイバーの束を閉じた瞼に投影する村本剛毅のビデオ作品、ヘッドマウントディスプレイに映像を映すカメラを身体の目以外の場所に設置することで「目を移動」させる試みを行った花形慎、建築と衣服の関係を追求し3DCADデータからドレスを造形した櫻井悠樹など、テクノロジーを駆使した作品がここでも数多く見られた。


Part.02の展示風景 ANB Tokyo

また、オンライン授業を受ける際に講師のスライドに参加者が落書きし改竄ができる石原航のインターフェースや、身近な細菌の存在を可視化した鈴木大輔のバイオアート、一年を通じて行ったクマ財団同期生との交流や往復書簡などを行った久坂蓮の文章表現、SNSなどを通じ他者との共作で小説を発表した幸村燕、など、コロナ禍での新生活様式に着目した作品も。


Part.02の展示風景 ANB Tokyo

リサイクルショップなどで手に入れた素材をコラージュし制作された八木華のドレス、不要になった自転車を収集し組み合わせすべての車輪を回転することができる東弘一郎のインスタレーション装置、プラスチックの既製品を身体に沿わせて継ぎ合わせ身体の延長としてのアクセサリーを発表した鷲見友佑など、サスティナブルな方向性を持つ作品も印象に残った。

展覧会開催にあたり、担当者は以下のように語ってくれた。『新型コロナウイルスの影響で中止になってしまった一昨年、オンライン展示会となり限られた観客の方にしか実際に作品を見てもらえなかった去年と続く中で、今年は感染症対策に可能なかぎり留意した上で、広い観客に開いた形で展示会を実施できたのは非常に意義深いことだと思っています。その上で、例年の数日のイベントとしてではなく、中長期間に及ぶ展示企画としての実施となり、展示会を通じて財団生同期や卒業生などの間で交流が生まれつながりを作ることが出来たこと、会期中を通じて幅広いジャンルの方にご来場いただき、多くの方々に作品に触れていただいたことは作家の皆さんにとっても意義深い時間となったと思っております。』

なお、クマ財団は、奨学生ならびに活動支援生(卒業生)の作品発表の機会の場を継続的に持つことを目的に、クマ財団ギャラリーを東京・六本木に開設。4月末から5月末にかけてオープン記念グループ展覧会を開催、また年間を通じて企画展を行う予定だ。

KUMA EXHIBITION 2022
会期:Part.01:2022年3月18日(金)~27日(日)/ Part.02:4月1日(金)~10日(日)
時間:11:00〜20:00
会場:ANB Tokyo
住所:東京都港区六本木5丁目2-4 2F〜7F
料金:入場無料
※ホール作品発表:2022年3月19日(土)12:30〜20:00 ハリウッドホール(東京都港区六本木6丁目4-1 六本木ヒルズ ハリウッドプラザ 5F)
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、入場は日時指定のオンライン事前予約
https://kuma-foundation.org/exhibition2022/

Text: Taketo Oguchi
Photos: Naoko Hirose

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