トーマス・ルフ写真展「1979-2017」

HAPPENINGText: Victor Moreno

展覧会の後半はルフ本人が撮った写真ではなく、既存メディアを再構築した作品である。「jpeg」(2004年)は巨大な作品シリーズで、自然と災害を写し出している。これらは全てインターネットから入手したブロックノイズが見られる低画質の画像で、代表的なものは、9.11アタックの写真だ。

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jpeg ny01, 2004, C-print, 276 × 188 cm © Thomas Ruff

これらと同じように、ルフは写真における、もっとも基本的な要素である“画質”を実験的に使い多く作品を発表している。「nudes(ヌード)」(1999年〜)では、インターネットを通して普及しているポルノグラフィをテーマとして、低画質の写真を現代のヌードアートヒストリーの現れとして表現している。ルフはこれらのヌード写真にぼかし等の手を加え、かろうじて被写体がわかる画質にしている。関連したシリーズ作品は「Substrate」(2001年〜)。日本の漫画やアニメに影響を受けている鮮やかな色を使ったこのシリーズは、コンピューターで作られている。

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ルフの最新作である「press++(プレス)」(2015年〜) シリーズは、数十年分のアメリカの新聞アーカイブを利用している。編集マークや指示書き、クロッピングを再現し、どのようにして宇宙開発競争やハリウッドスターのイメージが修正されていたのかを写し出している。デジタルが普及する前は、写真を使い新聞の編集者に修正指示を出していた。コピーライト、キャプション、印刷指示はイメージの裏に書かれており、クロッピングやマスキングマークはイメージの上にそのまま書かれたりもしていた。ルフはその面裏両方をスキャンし、それをイメージの上に重ね、作品をアーカイブとして表現している。

Thomas Ruff Photographs 1979 – 2017
会期:2017年9月27日〜2018年1月21日
時間:11:00 〜18:00(木曜日は21:00まで)
休廊:月曜日
会場:Whitechapel Gallery
住所:77-82 Whitechapel High St., London E1 7QX
TEL:+44 (0)20 7522 7888
http://www.whitechapelgallery.org

Text: Victor Moreno
Translation: Chinami Oda

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