リッキー・パウエル

PEOPLEText: Victor Moreno

リッキー・パウエルは、ヒップホップとニューヨークのナイトライフを記録したシルバープリントで有名な写真家だ。ニューヨークで生まれ育ち、いるべき場所と時間の中で30年以上を過ごしてきた。そして小さなミノルタのカメラとともにさまざまな場所に赴き、あらゆる瞬間を捉え、永遠にしてきたのだ。

パブリック・エナミー、ビースティ・ボーイズ、ランDMC、ファブ・ファイヴ・フレディー、バスキア、キース・ヘリング、シンディ・クロフォード、グレイス・ジョーンズ、マイク・タイソンといったセレブリティや著名人たち…。彼に撮られていない人なんていないんじゃないか、とさえ思えるほどに、数多くの人々が彼の(ドキュメンタリーワークである)ストリートフォトグラフィーとポートレートに登場してきた。またバスケットボール通でもある彼(の作品)は、アメリカの歴史の中で特筆すべき時代 ーヒップホップとグラフィティアートの興隆が目覚ましく、NBAが全盛期を迎えていた、音楽とアートとスポーツが衝突しあう時代ー を象徴している。

そして彼の作品は、ニューヨーク・タイムズ、タイム、ワックス・ポエティックス、ヴィレッジ・ヴォイス、ローリング・ストーンといった数えきれないほどの雑誌や新聞に掲載され、世界中で展覧会も開催されてきた。現在行われている世界ツアーでは、スタンダップコメディのフレーズなどを盛り込んで彼自身がアレンジしたミックステープをバックミュージックにした、スライドショーを行っている。その世界ツアーをスイスのサステイナブルブランド・デディケイテッドが支援してくれたおかげで、夜のストックホルムで彼に会い、話を聞くことができた。

インタビューの後、パウエルはこういった。『ヴィクター、僕を “ファンタスティック(素晴らしい)” と言うのは構わないけれど、30分の間に4回も言うのは無しだよ』と。ご指摘ありがとうリッキー、次は気を付けるよ。

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© Ricky Powell

写真家であるあなたと、被写体である人たちとの間に起きた化学反応について、聞かせて頂けますか?

それぞれのシチュエーションが独特で唯一のものだよ。というのも、扱わなければいけない人たちが、そういう人たちだから。うまくいけばその化学反応は正しく機能するけれど、関わる相手がどんな人かによって変わってくるし、そういうものだな、と思う。

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Jean Michel Basquiat, 1986 © Ricky Powell

どのタイプのカメラから(キャリアを)始められましたか?

ミノルタだよ。

ついにデジカメに乗り換えられたのですね。

そうなんだよ。誰が何をくれても、例えば写真家仲間が最近2006年物の一眼レフカメラをくれたんだけど、結局使わなかった。あまりにも大きかったから。僕は自分の服にフィットする、どんな時でもパッと出せて一瞬を切り取れるようなカメラで撮った、気軽な写真が好きなんだ。被写体が写真を欲しがった時のために、ピンボケしそうな古いミノルタのカメラでルックブックの撮影をするんだけど、そんな時彼らに『撮らせてくれてありがとう。僕がどんなカメラを使っていても、変な顔をしないでね』ってよく言っている。そしたら彼らはこう答えるんだよ。『そんなことしないさ。君のやり方を知っているし、それが私たちの求めるものだから』ってね。

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