加賀美 健

PEOPLEText: Yoshiko Kurata

現在、東京を拠点に活動する現代美術家として、ドローイングや彫刻などニューメディアを使った作品を多く発表し続けている加賀美 健。ニュースが大好きだという彼が、いっぱいの遊び心で解釈したエフワード的モチーフを散りばめた作品の数々は、海外でも様々な反応を呼び起こす。そんな加賀美氏の作品、そして今後の予定について話を聞いた。飾らない回答の中に、純粋な人柄が見え隠れする。

kk_portrait.PNG

まず初めに、自己紹介をお願いします。

加賀美 健、1974東京生まれ、アーティスト。

kk01.png

代表作「ミルクマン」について教えてください。

15年前にサンフランシスコに住んでいた時にできた作品です。最初は、顔だけができ上がって、そのあと体を付けました。ミルクマンを描いている時に目の前に、机の上に乗った朝食用のバナナがあり、それを見てミルクマンにバナナを刺そうというアイデアが浮かびました。同時にイチゴも刺してみようと思い刺しました。フルーツを刺すことによってとてもポップに仕上がりました。そのミルクマンを見たアメリカのバンド、ディアフーフのメンバー(当時からの友人)がミルクマンをコンセプトとしたアルバムを作りたいということになり、2004年にディアフーフのアルバム「ミルクマン」がリリースされました。

kk07.jpg

現代美術アーティストとして、具体的には彫刻、ドローイング、ショップのオーナーなど多岐に渡る活動を行っていらっしゃいますが、アートに興味を持ったのはいつ頃ですか?

幼少期から図工など何かしら作ることが好きでした。しかし絵も上手くないですし、どこかコンプレックスがあったかもしれません。技術じゃ上手い人に敵わないのでアイディア、スピードなどを子供の頃から意識していたと思います。小学校で貼り出される絵は「ただ上手な絵」だけだったので、そのことにいつも疑問を持っているような子供でした。

スタイリストアシスタント終了後、サンフランシスコに1年半住んでいたそうですね。その頃に体験したことは、今でも自分の作品やショップなどに影響を与えていますか?

かなり影響を与えています。今でこそライフスタイルショップなどの流行によりサンフランシスコが東京でも人気ですが、本当はとてもストレンジな街で、僕にとても刺激を与えてくれます。とにかく普通に変な人が街中にいっぱいいるので面白いです。

kk08.png

キャラクターや企業ロゴをモチーフにパロディ化した作品が多いですが、何かキャラクターや企業に対してメッセージがありますか?それとも感覚的に選んでいますか?

メッセージなど全くありません。ただ(材料として)作品にしやすい、シンプルなものを選んでいるだけです。皆さん一度は目にしたことがある物なので、見た時にスッと入りやすいと思います。

kk09.jpg

性的なモチーフも多く、作品全体にギャグっぽさが含まれているように感じます。作品全体に一貫したコンセプトやテイストなどありましたら教えてください。

シニカル、ギャグ、エロス、シンプル。

kk02.jpg

アート活動を行いながら、なぜ(作品展示や作品販売ではなく)古着や雑貨、オリジナル商品などを取り扱う「ストレインジ・ストア」を開こうと思ったのでしょうか?ショップのコンセプトも教えてください。

自分で好き勝手にできるお店が欲しかったからです。雇われていたら好き勝手にできないので。ショップのコンセプトは、特にありません。コンセプトを掲げてやるよりは、いつまでたっても何をやっているのかがお客さんに伝わらない感じが好きです。

kk03.jpg

インパクトの強い「実家帰れ」アイテムの制作理由を教えてください。

小中学生の時、野球チームに入っていたのですが、そこの先輩がエラーをすると後輩に「実家帰れ!!」と言っていたのが忘れられなくて、僕にとって「実家帰れ」とはエラーをした時に先輩に言われていた言葉です。みんな実家なのになんで実家帰れ!って言うのか不思議でした(笑)。制作理由は特にありません。ただ「実家帰れ」がプリントされてたら面白いと思ったので作りました。作った時に周りの反応が十人十色でビックリしました。あれを見て本当に実家に帰ってしまった人がいるとかいないとか。

kk06.jpg

海外でも作品の発表を行っていますが、印象深いリアクションなどありましたか?

日本で発表するよりも海外の方が反応が面白い気がします。昔、北京のアートフェアで十字架にかけられたETが勃起しているという立体作品を作ったのですが、その時に来たクリスチャンのお客さんに怒られた、という思い出があります。「なんでこーなってるの!説明しなさい!」と。

最近気になる人、モノ、カルチャーなど教えてください。

80年代に酒井法子が作った「のりピーマン」というキャラクター商品を集めています。あと、田代まさしのグッズ、マーシーズの物も集めてます。80年代の物なのであまり世に出てきません。見つけたら買うようにしてます。それから、最近ですと加藤茶のキャラクター物も集め始めました。

kk04.pngkk05.png
T by GASBOOK

最近行ったプロジェクトや、今後の開催イベントなどを教えてください。

最近、ガスアズ・インターフェイスと一緒に「T by GASBOOK」の制作に取り組みました。普段の仕事ではできないような自由なデザインができたので、楽しかったです。パリのコレットでも取り扱いが決まったようですので、パリにお住いの方は見てみてください。6月には、ベルギーのギャラリーとアメリカのノースカロライナ州にある美術館、シーエーエム・ローリーで行われるグループ展に参加します。あと、10月にロンドンで行われるフリーズ・アート・フェアに「LIVE」というセクションがありまして、そこでパフォーマンスをすることも決まりました。

Text: Yoshiko Kurata

【ボランティア/プロボノ募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
コントワー・デ・コトニエ公式通販サイト | 2016 SUMMER SALE
スティーブ・ベイカー
MoMA STORE