ジメーナ・パッサドーレ

PEOPLEText: Gisella Lifchitz

ジメーナ・パッサドーレのデスクトップにはこう記されている。「常に探すこと、それが重要だ」と。

偶然ながらジメーナ・パッサドーレを知ったのはインターネットで調べものをしているときだった。彼女と、彼女の生み出す美しいものたちで溢れかえっているのを見つけてしまった。

どの作品のどれをとっても、彼女は常に変化を生み出している。ジメーナ・パッサドーレはビジュアルアートのアーティストであり、デザイナーであり、教師、エディターでもある。彼女の「アーティストブックコレクション」には完全に驚かされた。それは彼女の編集で制作、出版された「フランベ」という、アーティストブックだ。それぞれ一つ一つの小作品がアートになっている。

Jimena Passadore

あなたのキャリアの始まりは?

グラフィックデザインを学んだ後、いくつかその分野で仕事をしました。2006年にDAAD(ドイツ学術交流会)を通してドイツでスカラーシップを獲得したので、ライプツィヒやハンブルグ、ベルリンを2年かけて回りました。ドイツから戻り、パートナーのホセとともにデザインとアニメーションのブティックとして「ステイトステイド」を立ち上げました。

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フランベ・エディションとはどういうものですか?

フランベというのは自主出版プロジェクトです。若く才能あるアーティストの作品をプロモーションすることを目的としています。実際アートの巡り合わせというのはとても複雑で、わたしたちとアーティスト双方向からお互いを知り合う方法をつくるのが良いと思ったのです。
まずはフォトグラファーとして写真集をつくり、「FELIFA」(写真集フェアのひとつ)へ応募しました。そして賞を受賞し出版されることになりました。皆さんに手にとってもらえたので、もう一度つくれば買ってもらえると感じ、版を重ねましたがそれらも全て売れてしまいました。
それからコレクションをつくろうと決めました。初めは私のドイツのポートレイト、その次は様々な都市の窓を取り上げた「ラファエラ・ファサード」でした。
その後、パスカル・アスと彼の絵を載せ、またイレーネ・ベルゼロやレナ・スザンカイ、ローラ・ワルスキーらもコレクションに加わってもらいました。ローラの場合はフランベにとって初めてのログブックとなりました。創作の過程や、物、文章、彼女があるべき人物へとなるよう影響を与えたものなどが示されています。

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教師としての仕事について教えてください。

ブエノスアイレス大学のワインハウス教授の講議で形態論を教えています。わたしたちはアカデミックコレクションとして生徒の作品の選りすぐりを2冊のフランベとして出版しました。
「T´Ang Gramatics」(文法的な言葉)と 「Assemblages」(集合体)です。ひとつめの「T´Ang Gramatics」は中国のパズルゲーム「タングラム」に関係しています。

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今後のプロジェクトについて教えてください。

ブエノスアイレス政府がフランベを助成制度の対象として選出してくれたので、もっと出版することができるようになりました。(出版に向けすでにいくつかの作業が進んでいます。)
また、4人のアーティストによる展示会も企画しています。ドイツのハンブルグにあるクバスタ・ギャラリーでハス、モピレ、リンドマンと、私自身の写真と絵を展示します。

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あなたにとってフランベが重要な理由を教えてください。

私が興味をもっているのは、プロジェクトにおける作家自身の参画しようとする活動性です。アーティストたちが自分の作品と他人の作品とを紹介できるネットワークをつくりあげることが最終的な目的です。
フランベを通してみんなが様々な方法でコラボレーションできたら素晴らしいでしょう。例えば、作家でデザイナーでありアーティストでもあるパスカル・ハスは今まさにヨーロッパにおける私たちの代表格であり、彼自身コレクションのデザインに改良を加えるということを成し遂げました。ローラ・バルスキーは私たちを後押しし、本のカバーに彼女の図柄を用いてプロジェクトに参加してくれました。イレーヌ・ベルゼロやレナ・スザンカイ、トマス・コチェロなど他の作家たちの冊子も手掛け、彼らの資金や助成金獲得にも貢献しています。
このプロジェクトは参加者自身で管理され、作家たちを強力に巻き込んでいる、そこが気に入っています。私にとっては、すべてをこなさなければならないようなパワフルなエディターという考えを捨ててリフレッシュさせてくれるものです。それぞれの本の構成を組み立てていく段階でさえ、みんなが解放された自由をもって取り組んでいるので、非常に心地が良いのです。

私の作品も彼女のプロジェクトの一部として参加できる日を楽しみに、そして新しいエネルギーで満たされながら、素晴らしい本がある彼女の部屋を去った。「常に探すこと、それが重要だ」この言葉とともに。

Jimena Passadore / Flanbé Editions
flanbe.ediciones@gmail.com
http://www.flanbe.com.ar

Text: Gisella Lifchitz
Translation: Eiko Kondo

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