コペンハーゲン・ファッションウィーク 春夏 2013

HAPPENINGText: Victor Moreno

デンマークのファッションデザインは素晴らしい調和をみせている。膨大な要望に応えた才能と努力の賜物が、コペンハーゲン・ファッションウィークで紹介された2013春夏のコレクションだ。レディースもメンズも両方ともエネルギーがあった。

これほどまでに成功した主要なデザイナーは、ヘンリック・ヴィブスコブ、スタイン・ゴヤ、ウッド・ウッドピーター・イェンセン、そしてソウルランドだ。

もちろん、これらの名前だけでこのファッション・ウィークを語るのはフェアではない。ワッカーハウス、ムーン・スプーン・サルーン、アン・ソフィー・マッドセン、ジャン/フィリップ、バイ・マリン・ビルガー、ブルーンズ・バザール、ガイアなども、デンマークのファッション業界において、経験のある強い存在感をもつブランドである。3日間のうちに4万人以上が集まり、ギャラリーは史上最多の来場者数を記録した。

Copenhagen Fashion Week SS13

ヘンリック・ヴィブスコブの2013年春夏コレクションのタイトルは「透明な舌」。ヘンリックは2004年からコペンハーゲン・ファッション・ウィークにてコレクションを発表し続けている。彼が黒人モデルのみを起用したのは、今回が初めてで、社会的な意味ではなく、芸術性と対照性を意識してのことである。彼はパリ・メンズウィークにオフィシャル参加している唯一のスカンジナビア人デザイナーであり、そして最近はシャンブル・サンディカル・ドゥ・ラ・モード・マスキュリンの新メンバーとして選ばれた。このショーで彼は、オフホワイトとのコントラストと、服の色彩を強調させる目的で、黒人モデルのみを起用することを決めた。

Copenhagen Fashion Week SS13

スタイン・ゴヤのSS13コレクションは「ラ・パレード・メルベイユ」というタイトルで、人生のきらめきを哀愁的な視点から表現したものであった。楽観的なピエロのプリントや、サーカス的なモチーフ、そして彼女ならではのパステルトーンの色彩、ゴールドとオークル、鮮やかなピンクから深いミッドナイトブルーのニュアンスまであった。まさしく着る価値のある作品であり、スタインはまたもやオーディエンスの欲求に見事に応えた。

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