ミラノ・サローネ 2012

HAPPENINGText: Wakana Kawahito

また、ノスタルジーも今回のキーワード。過去に流行ったスタイルのリバイバルやデザイナーへのオマージュ作品など、デザイン回顧の傾向が見られる。

ル・コルビュジエへのオマージュ作品である、 ドシ・レヴィンによる「モローゾ」のチャンディーガルソファ、そして、スウェーデンのデザイントリオ、 クレソン・コイヴィスト・ルネによる、タッキーニのアームチェア「イゾラ」は、ミッドセンチュリーの影響を感じさせる。

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加えて、今期の色のトレンドは間違いなく「青」だ。スモーキーブルーを中心に、多くのブランドが青をメインカラーとしていた。

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FTK (Technology For the Kitchen)

FTK(Technology For the Kitchen)のエリアでは、最新のキッチン事情を知る事ができる。国際的な家電メーカーを中心に計30ブランドが参加し、未来の台所の風景を予見させた。
一昔前はIHキッチンがハイテクキッチンの代名詞であったが、それはさらに進化し、シーメンスからは、調理器具の形と置いた場所に反応する、超ハイテクIHキッチンもショーケースに並んだ。

若手デザイナーの登竜門である、サローネサテライトでは、 新鮮なアイディアを持った若手の作品を見ることができる。なかでも特に、ドイツのデザイナーに勢いがあるように感じた。

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ドッツ・デザイン・スタジオ

たとえば、 エリザベス・フロアシュテットの「The Second Telling」は、棒状の木を組み合わせて作られているダイニングテーブルだが、木と木の隙間を調節できる。最小で48cm、最大では190cmにも広がり、スペースに合わせて扇形や弓状など、形が変化する。やや荒削りな部分もあるが、シンプルな構造と素材を活かした機能性に優れたテーブルだ。

また、ポップな色使いに異なる素材のミックス加減が上手いブランドが多い印象を受けた。たとえば、日本人デザイナー、HIROOMI TAHARAの紐を使った壁収納や、デザインユニット「WOW」の作品、 「ドッツ・デザイン・スタジオ」のイス、 Bao-Nghi Droste Designのテーブルなどだ。

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