クレマチスの丘

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美術館・花・食をテーマに2002年に静岡県・三島近郊にオープンした「クレマチスの丘」。ここは北に富士、南に駿河湾を望む文化と自然が一体となった複合施設だ。2009年10月にオープンし注目を集める「IZU PHOTO MUSEUM」もここにある。

© Clematis no Oka
© クレマチスの丘

クレマチスは北半球を中心に約300種が自生するつる科の植物で、江戸時代には伊藤若冲の日本画やヨーロッパの印象派の絵画の中でも描かれた花だ。200品種のクレマチスが咲き誇るクレマチスガーデン、自然公園などの手入れの行き届いたガーデンのほか、ヴァンジ彫刻庭園美術館、ベルナール・ビュフェ美術館、ビュフェこども美術館、井上靖文学館、リストランテ プリマヴェーラ、テッセンなどのレストラン、ミュージアムショップなどが点在している。

Vangi Sculpture Garden Museum © Clematis no Oka
ヴァンジ彫刻庭園美術館 © クレマチスの丘

ヴァンジ彫刻庭園美術館」は、イタリアの具象彫刻家ジュリアーノ・ヴァンジの世界唯一の美術館として開館。2010年現在、79歳の現役作家だ。2つの庭園と館内に29点、計46点の作品が展示され、今後も新作が増設される予定だ。2002年には高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。石、大理石、金属の組み合わせ、木、異素材のはめ込みなどで作品を制作。彫刻は360度作品を楽しめ、左右からの表情も異なる。ヴァンジも立体である彫刻だからこそ平面ではできないことにトライしている。

Bernard Buffet museum © Clematis no Oka
ベルナール・ビュフェ美術館 © クレマチスの丘

ベルナール・ビュフェ美術館」と「ビュフェこども美術館」は、『絵画は、それについて話すものではなくまた、いろいろ分析するものでもなくただ感じとるものである』としたフランスの画家、ベルナール・ビュフェの作品を2,000点も所蔵する美術館だ。その数は、世界一のコレクションを誇り、黒い描線と抑制された色彩が特徴だ。クレマチスの丘が複合施設としてオープンする以前の1973年に創設された。ビュフェこども美術館とは、ものに触れながら遊べる美術館のことでフランスの台所のようなミニキッチンでままごとができたり、ビュフェの絵画に出てくるピエロの衣装を着て、こどもが額縁の中で写真撮影をすることができる。

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