ヴァル・ド・マルヌ現代美術館(MAC/VAL)
PLACEText: Kana Sunayama
パリ郊外に建設された最初の現代美術館である MAC/VAL(Musee d’Art Contemporain du Val-de-Marne: ヴァル・ド・マルヌ現代美術館)が2周年を迎えた。
日本で「郊外」と聞けば喧騒な市街地から少し離れた閑静な住宅街を思い浮かべるが、フランスでのそれは、極端に言ってしまうと、家賃高騰により市街地に住むことのできない低所得者層や移民層の住民が多く、治安もそれほどよくない地区のことを指す。
2005年11月にヴィトリー市にオープンしたこの美術館は、県の文化政策の象徴的存在として、県議会の、現代美術を普及し現代美術と大衆とを接近させるという20年以上にも及ぶ努力の結果として、建築家、ジャック・リポーによって建設された。
Jean Dubuffet
パリ市内からメトロ、それからバスへと乗り継いで到着したMAC/VAL前のバス停留所の横には、巨大なジャン・ドゥビュフェの彫刻が設置されている。
ヴィトリー・シュール・セーヌ市の中心に位置し、ジル・ヴェクスラーによって構想された1万平米にも及ぶ公園に囲まれたこの美術館は、フランスにおける1950年代から現在までに創造、制作された1000点以上の芸術作品を所蔵する。
Alain Sechas
アラン・セシャの作品。彼女がタバコを口に持っていくたびに、煙が出るしかけ。
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