シンガポール・スーベニアーズ

THINGSText: Adib Jalal

味わいある表現豊かなローカルなおみやげ品が少ないことをきっかけにスタートした「シンガポール・スーベニアーズ」は、そんな溝を埋めるプロダクトを生みだそうというプロジェクトだ。「シンガポール・スーベニアーズ」として展開される商品は、外国人にとって意義深い記念の品となるだけでなく、シンガポール人にとっても彼らのアイデンティティの認識を深める手段となる。結果として、このプロジェクトがシンガポール人のデザインに対する意識を高めると共に、ローカルデザイナーの国内外という広い舞台で活躍していく機会を作っていく。

このプロジェクトに参加しているデザイナーの一人、ウィンストン・チャイからシンガポール・スーベニアーズについてさらに詳しく伺った。

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Uniquely Immigration Stamp

シンガポール・スーベニアーズがスタートしたきっかけを教えて下さい。

2年くらい前に、外国人の友人が私を訪ねてきたのですが、彼女が家族や友人に贈るシンガポールっぽいおみやげには、どんなものが良いかと相談されたことありました。僕が提案したのはスナック菓子などで、そのときにシンガポールには旅行者向けのものがあまりないんだと気付いたんです。

それで、学校の友人を集めこのプロジェクトを一緒にやろうと呼びかけたのが始まりです。でも当時留学していたり、外国で働いたりしていた友人が多かったので、スタートするには彼らがシンガポールに戻ってくるのを1年ほど待つことになってしまったんですけどね。

このプロジェクトが公式にスタートしたのは2009年始めのことで、展覧会も行いました。

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Merlion Shopper

シンガポール・スーベニアーズのキーアイテムがあればご紹介ください。

特にキーアイテムというのはないですね。

このプロジェクトはそれぞれの参加者が意義のあるシンガポール・スーベニアーズを自由にデザインするというやり方をとっています。もちろん、多くの話し合いの中で、様々なアイディアが出され、それを組み立ててきました。でも、「もの以外」のおみやげというコンセプトを探っていこうという明確な意図がありました。「もの以外」というのは、旅行者がシンガポールに滞在中に知らないうちに得ることのできるコンセプチュアルなおみやげです。これらのコンセプチュアルなおみやげがシンガポールで過ごした時間を反映する、本当に大切な、偶然発見した記念となるのです。でもそれにはあらゆる地元企業が関わってきますので、このプロジェクトから、地元企業や代理店、その他関係者などが幅広く協力してアイデンティティを生みだしたり、あらゆるセンスを取り込んだおみやげを通じてシンガポールの印象を残すマーケティング戦略に取り組んでいければいいなと思っています。

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