
オーストリア発信の最先端メンズファッション。
2009年はオーストリア・ジャパンイヤーの年であり、多くのイベントなどが行われる予定だ。シフトマガジンとオーストリアンファッション.NETはこれを記念し、一年に渡り、現代オーストリアのクリエイティブシーンの全体像をシリーズ記事として紹介していく。
日本人は特にオーストリアファッションに興味をお持ちの方も多いと思う。第1回目は、過去数年間にわたって国際的なファッションシーンから非常に高い評判を得ているオーストリアのメンズ・ファッションを特集。意外なことに、ウーマンウェアのデザイナーよりも彼らのほうが行動的で、存在感があるようだ。
パリのメンズファッションウィークのスケジュールを例にしてみよう。4名ものオーストリアデザイナーが名を連ねている。何故、彼らのデザインが注目されているのか? 彼ら全員がヘルムート・ラング、ジャン・シャルル・ド・カステルバジャック、ラフ・シモンズ、ヴィクター&ロルフ、ヴェロニク・ブランキーノなどを過去15年で輩出したウィーン応用芸術大学で服飾を学んだとはいえ、この記事で取り上げる4人それぞれがオリジナリティー溢れるデザイナーたち。この都市にはひとつの似通った創造性があるのではなく、多種多様で様々なデザインシーンがあるという事実をお見せしよう。




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© Ute Ploier - S/S 09, Photo: Klaus Vyhnalek
ウテ・プロイアー – 鋭い感性で、洗練された上品さ
ウテ・プロイアーは、ウィーン応用芸術大学服飾科を2003年に卒業後、すぐに名誉あるイエール国際モード・フェスティバルで表彰され、すぐにパリ・ファッション・ウィークでブランドを発表し、インターナショナル・ファッションシーンに登場。長年にわたり、彼の洗練されたメンズウェアは多くのファッショニスタたちに認識されるようになった。 2、3シーズン前からより冷静な装いへ(冷静の解釈によるが)シフトしているよう。洋服の仕立で最も繊細な部分への「再解釈」を通して、プロイヤーは、何の規制もなく、最新の洗練された感性をより高めるという彼女の探究心を繰り返し表現している。その探究心は2009年春夏コレクション「ブループリント」で見ることができる。




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© Superated - S/S 09, Photo: Roland Krauss
Superated – 開放的な遊び心
2005年から始まったファッションブランド「Superated」はファッションデザイナー、ピーター・ホルツィンガーとグラフィックアーティスト、アンドレアス・パスカリーニにより運営されている。現在、2003年に卒業をしたウィーン応用芸術大学のニットウェア科を任されているホルツィンガーは、聡明なユーモアを持つ現代男性像を的確なデザインでそれがよく反映された服作りを思考している。彼の2009年春夏コレクション、「De-lurk (デラーク)」はすべてを真剣に受け止め過ぎない、気軽でカラフルな男らしさにファッショニスタを誘い込むよう。 丸い形と透ける素材は今回のコレクションを華やかにするはず。




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© Wilfried Mayer - S/S 09, Photo: Jürgen Knoth
ヴィルフリード・メイヤー – 思想家のファッション
オーストリア・ファッション・シーンで最近、頭角を現している一人が2005年にブランドを立ち上げたヴィルフリード・メイヤー。同じ年にイエール国際モード・フェスティバルでファイナリストにも選ばれている。彼は自身のファッションを「皮肉な形式主義」を説明するように、彼のとてもフォーマルな服を実験的な方法で製作する。彼のアプローチは「北欧人のクラシックエレガンスの解釈」とでも言えようか。2009年春夏コレクション「Neo Eon One」は男と女として二重の人生を送ったシュヴァリエ・デオンを暗示している。これはもちろんメンズウェアをファッションの現実逃避やインスピレーションとして手に入れる多くの女性へのオマージュとも取れる。しかし、メイヤーの最新のコレクションは賢く一昔の両性のファッションという概念を押し付けないようになっている。




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© Petar Petrov - S/S 09, Photo: Christoph Pirnbacher
ピーター・ペトロフ – ストリートキッズと悪ガキのためのファッション
オーストリアと本質的関係にあるデザイナーとして最も有名なブルガリア生まれのピーター・ペトロフはウィーン応用芸術大学大学院を2003年に卒業し、そのままウィーンをベースに活動している。2003年にパリ・ファッション・ウィークでデビューをしてから彼の控え目で気取らないカジュアルなストリートウェアは瞬く間に人気になった。彼のレーベルはスレンダーでボーイッシュなシルエットへのこだわりがありエディ・スリマンや初期のリネケ・ダイクストラの写真集の中にいるような荒々しい(もしくはそうなりたい)ストリートキッズへ捧げられ続け、また東ヨーロッパのトラッシュ・シックという個性でペトロフは第一線で走り続けるだろう。
Text: Daniel Kalt from AUSTRIANFASHION.NET
Translation: Naoko Wowsugi