エクスペリメンタ・デザイン・アムステルダム 2008

HAPPENINGText: Lotje Sodderland

パラディスコという古く壮大なダンスホールにて、世界の代表的なデザイン先駆者たちによる1回限りの講義シリーズ「アムステルダム・カンファレンス」が行われた。建築家のレム・コールハースアルヴァロ・シザ・ヴィエイラ、コンセプチュアル・コンサルタントのシリル・デュバル、グラフィックデザインの神とも言えようイアン・アンダーソンロン・アラッドなどがスピーチをした。

私は後半2つに出席した。彼らは明らかに準備をしていなかったのだが(アシスタントが用意したスライドショー以外は)私は彼らのまとまりのないスピーチも認めざるを得ない。なぜなら彼らはとても面白く、魅力的であり、話すほとんどのことが興味深かったからだ。

エクスペリメンタデザイン・アムステルダム 2008
Ron Arad “Amsterdam Conference” © Max Akkerman

アラッドは、過去の作品テル・アビブ・オペラ・ハウスについて、またローバーチェア(ローバー社の廃車シートと鉄パイプで作られた椅子)の歴史、その後身であるモアオーバーチェアについて、また彼が現在思い描く建築的な夢(スイス、クシュタートの破綻したアルペンにおけるスキーリフトが付いた壮観な回転レストラン)など未来のプロジェクトについて語った。

エクスペリメンタデザイン・アムステルダム 2008
Ron Arad “Moreover Chrome”

アラッドはまた、彼のデザインを堂々と不正に利用する中国の工場訪問の際に沸いた、境界線を壊す新しいアイディアについて語った。工場長の労働倫理や工場で働く200人の労働者達の依存を目の当たりにしたアラッドは、彼らがそのような複製をしなくても良いよう工場のために新しいテンプレートを作成することを思いつき、ヴィトラ社モローゾ社に協力を要請した。プロジェクトはまだ途中だが、アラッドはこのアクションが、今は批判的な密造問題を肯定的に解決するための、デザイナー達にとっての新しいスタンダードとなることを期待している。

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