
ある小さな先見者のグループに計画があった。シンガポール、マウント・ソフィア地区に位置する元メソジスト・ガールズ・スクールを、アート活動を結びつける場所に変えること。そうして5人の先見者が、彼らの創造の能力のみならず、現代の都市カルチャーへの興味をもって結束する。アートと商業の関係を変えるため、また未来の創造性、伝統と現代性、機能性の開発のため、根強い好奇心と共に彼らは、伝統の流れに逆らって進んでいるのだった。
SHIFTは、その先見者グループ「オールド・スクール」に話を伺った。

まず「オールド・スクール」とは何でしょうか?
ニュー・スクールの思想家達のホームと定義されている「オールド・スクール」は、アート活動の結びつきに力をいれるクリエイティブ・スペースであり、創造の対話のための大動脈の1つです。現在は、従来の考えの流れに対向する勇敢な先見者達のホームとなっており、インスパイアされた異端者たちやクリエイター達が集まっています。1階にアートギャラリーとカフェスペース、クリエイティブ・スタジオ、アーティスト・スタジオ、アート映画劇場を持ち、またゲリラ的なアートやポップカルチャーのイベントを開催するという混合的な使用開発をしていて、おもしろいアートフォームの展示スペースとしてだけでなく、交流や刺激のための場所でもあります。キュレーションやインタラクションの若い才能に向けたフリースペースとしても使われ、発見したりされたりするプラットホームです。
CDG Guerilla Store
元メソジスト・ガールズ・スクールに注目したきっかけは何ですか?
元メソジスト・ガールズ・スクールの校舎は、歴史的、建築的に豪華な建物の集まりでした。放棄の状態にあったその校舎に、私達は一目で魅力を感じました。また、中心アート地区に位置していることや、新しいアート学校へ通う近隣の人々、たくさんのデザインやアートの学校や広場があるなどといったロケーションも完璧でした。すぐにその校舎を様々なクリエイティブ分野、クリエイティブアートの拠点とする機会を見つけました。
Osage Gallery
メンバーについて紹介してください。
ケン・チョンは、シンガポール生まれのコミックを愛する企業家です。大学時代にコミックのヒーローに対する幻想世界への興味はスタートし、学生の間、香港や日本のコミックをディストリビュートするビジネスを立ち上げました。卒業にあたって石油取引のビジネスも経験しましたが、まもなくその業界を離れ、シンガポールのコミックビジネス(数十億ドル規模のグローバルマーケットビジネス)に集中します。また家族のアートギャラリーのビジネスに煽られ、10年間のアート界との両立もはじまりました。彼の「クリエイティブ・アート」に対する情熱は、日本のライフスタイルカフェや、インターネット・コミック・カフェ、印刷製版会社などを含む、一連の先駆けのコンセプトに表されてきています。シンガポール国立大学の経営管理学の卒業生です。
アンドリュー・ラウは、建築が本業です。マレーシア出身で現在はシンガポールでの永住権を持つアンドリューは、イギリスでの留学の間にアートへの興味を育ててきました。彼のポップカルチャーのムードや感覚に対する鋭い本能は、学生時代に研がれ、また最近では毎年世界の様々な大陸を旅しています。彼のアートに対する熱は、シンガポール・ダンス・シアターやワイルドライス・シアター・カンパニーなど、彼が関わる様々なシンガポールのアートグループに見られます。他には音楽も好きで、仕事後はギターを弾いています。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの科学学士号、ロンドン大学のMSC、リーディング大学の不動産、建造物のMBAを保持しています。
ショーン・ルーは、ニューメディア革命の前衛で、BBHアジア太平洋ネットワークを通してデジタルを増殖する先頭に立っています。 独学のインタラクティブ・アート・ディレクターとしての、彼の4年の広告キャリアは、偶然でした。 技術、デザイン、ポップカルチャーに向かった鋭いアプローチで、彼の作品は数々の国際的な賞を得ており、またCrowbars、DM Asia、Creative Circle Awardsでの3年連続の陪審や、NUSビジネス学校でのゲストスピーカーとしても活躍しています。
メイベル・ティーはマレーシア生まれ、シンガポールで教育を受けました。高く評価されたブランド戦略家であり、マーケティング専門家。企業キャリアの頂点にいることを諦め、ビジネスにおける創造的なコミュニケーションとの統合の必要性を具体化するために、他の戦略家、クリエイティブ・ディレクター、作家、デザイナー、プロデューサーらと協力して、「調節役」に専念しています。現在は、自身のマーケティングコンサルタント業を経営。審美家であり、ポピュラーな都市カルチャーの鋭い観察者、また現代アート熱心でもあります。
The Art Studio
これまで行ってきたプロジェクトについて教えてください。
2007年10月のオープン以来、オールド・スクールはnull展(2007年11月27日〜12月8日)、Kustaa Saksi展(2008年5月16日〜19日)など、とても良い展覧会を発表しています。また、2008年9月には13人の若いアーティストによるマルチアートの展覧会「Insert Ttile」、2008年10月に「シンガポール・インターナショナル・フォトグラフィー・フェスティバル」、2008年11月にシンガポールの9人のファッションデザイナーによる「+9」というファッションイベントも行います。

The Hall Event Space
オールド・スクールによる「2902ギャラリー」について教えて下さい。
「2902ギャラリー」は、シンガポール初の、また東南アジアで最大の、写真を専門にしたアートギャラリーです。今年2月29日(ギャラリー名にちなんでいます)のオープン以来、18日間隔で新しい作品に替えながら、積極的な展示展開をしています。2008年10月に「2902ギャラリー」は、オールド・スクールと共に「シンガポール・インターナショナル・フォトグラフィー・フェスティバル」を開催し、60人の国際的なアーティスト(8人のシンガポール人アーティストを含む)の作品を展示します。
Recess
「シネマ・オールド・スクール」など、他のコラボレーションプロジェクトについて聞かせて下さい。
オールド・スクールは「シネマ・オールド・スクール」「フィルハーモニー・オーケストラ」「フィルハーモニー合唱団」「re:mix」などと、コラボレーションしています。先程の「2902ギャラリー」もオールド・スクールの企画としてのパートナーになります。写真や映画、ビデオアートなどにおいて増加する関心を認識して、選ばれたパートナー達です。

The Commons Event Space
マウント・ソフィア地区では何が起こっていますか?オールド・スクールの設立以降に変化は感じられるでしょうか?
最初に、保護地区として指定されていたオールド・スクールの6区間を復旧した際、私達はある古い建築記念碑をアーティスト地区に変えるという挑戦に挑んだわけですが、それ以来、よりたくさんのシンガポール中の古い建物がクリエイティブに利用されている例を見てきました。センセーショナルな古い建物を、壊すのではなく再発見するという私達の期待をシンガポールは実現しています。
マウント・ソフィア地区は今、中心アート地区の一部であり、地区内での他のアート関連組織との内部連携がオールド・スクールをアーティスティックな土地にするでしょうし、確実にそのことでマウント・ソフィア地区は良くなってきています。観光への価値としては、まだ始まったばかりです。

この先の計画について教えてください。
オールド・スクールは私たちの意志を反映します。アーティスティックな発見の場所としてのオールド・スクールを続けます。シンガポール政府との契約がとても短いので(2年+1年)、新しいアートフォームと新しいアーティスト達にとってのプラットホームとして十分に良い仕事をし、契約期間を越えて活動を続けられればと思います。
Old School
住所:11, Mount Sophia Singapore 228461
TEL:+65 6338 7682
info@oldschool.sg
http://oldschool.sg
Text: Yurie Hatano