梅津恒見 回顧展

HAPPENING

昨年亡くなった梅津恒見の一周忌をむかえて、札幌のギャラリー大通美術館で4月29日から5月4日に「梅津恒見 回顧展」が開催された。

梅津恒見は北海道で育ち、北海道のデザインを盛り上げ続け、デザイン講師として活躍もし、生涯現役で50年近くグラフィックデザイナーとして第一線で活躍した。その実力は、日本グラフィックデザイナー協会全国理事の就任、1996年の札幌市文化奨励賞受賞、札幌オリンピック・デザインガイドシートの制作、愛・地球博のポスターの制作など、数々の活躍により確かめられる。

梅津恒見 回顧展


今回の回顧展は、生前の梅津恒見の希望もあって開催された。会場には壁面の作品展示の他にも、20代の頃に手掛けた小冊子も数多く展示されており、昔の作品から最近の作品まで梅津恒見の歴史を感じさせるものとなっている。
作品には、この時代からこんなデジタルなグラフィックデザインがあったのかと思わせる作品もあれば、手描きによる作品もある。

梅津恒見 回顧展

作品を見ていて気が付くのが、PEACEと書かれたポスターが何枚か展示されていることだった。それらには地球が描かれている。会場に置いてある資料でPEACEポスターのコンセプトを読むと、変質する平和、戦争、人間の行為など、平和についての梅津の思いが書かれており、これらポスターの強いメッセージ性に魅力を感じた。

梅津恒見 回顧展

EXPO2005 AICHI「愛・地球博」のポスターは、愛・地球博の「自然の叡智」をテーマに、虹色のグラデーションが重なり、色彩豊かで力強さを感じる作品となっている。デジタルで近代的な作品だが、梅津がビジュアルテーマにしているという、「重ね」「連綿(エンドレス)」「直線」などがベースになっていて、梅津の美意識を感じさせる。

梅津恒見 回顧展

「Wonder Land in Hokkaido」は、2006年の作品と最近のものであるが、ポスターの下にある原画を見ると、手描きによるものだと分かる。手描きで愛嬌感じる熊の上の文字は「北海道へ来るって?いつさあ?」と、見る人を北海道へ誘うお茶目な言葉が書かれており、北海道に住み続けた梅津の北海道への気持ちをなんとなく感じる。

この回顧展を見て、50年近くグラフィックデザイナーとして活躍し、遺していった作品たちに、梅津恒見の作品への熱意を感じた。大らかな性格だったと、梅津恒見を知る人は言っているが、作品から熱意とともに、なんとなくその人柄も感じるような気がした。
北海道のデザインの歴史に残る梅津恒見の作品と熱意を、これからの世代にも伝えなくてはならないと感じた。

梅津恒見 回顧展
会期:2008年4月29日〜5月4日
時間:10:00〜19:00(最終日〜17:00)
会場:ギャラリー大通美術館
住所:札幌市中央区大通西5丁目大五ビル
TEL:011-231-1071
http://www.odori-b.co.jp

Text: Asami Miyamura
Photo: Naoko Miura

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