ポップキック 06

HAPPENING

ワールドカップにあわせて、「ポップキック06」が、6月9日から7月9日までベルリンで開催された。ベルリンには巨大スクリーンで試合を見ることができるパブリックビューイングが数カ所ある。その中でもこのイベントは、トレプトアパークという大きな公園の中にあり、サッカー観戦だけではなく、ライブ、食事を楽しみ、そして初夏の一日を緑に囲まれてリラックスしようというものだ。


ここドイツが、ワールドカップの舞台となったのは32年ぶり。ベルリンの壁ができてから13年後、開放される15年前、当時は西ドイツとしての開催だった。東ベルリンのシンボルであったテレビ塔も、今はベルリンのそれとして、サッカーボールの模様で空高くそびえている。

アーティストや若者がたくさん住む、活気ある地域、クロイツベルクとフリードリッヒシャインに隣接するトレプトアパーク。ベルリンを東西に流れるシュプレー川を、テレビ塔を背に自転車をこぐ。アーティストたちが絵を描き、今はイーストサイドギャラリーとして保存されているベルリンの壁の横を通り、運河沿いにつくられたカフェを横目で見ながら進むと20分ほどでうっそうとしげる木々が見えてくる。「ポップキック06」の会場はさらに公園内に入ったところにある。

公園の一部といっても2万平方メートルの広さ。入り口から一番離れた場所にある舞台とスクリーンが小さく見える。ライブは、ドイツの試合があるときはドイツ出身のミュージシャンというように、その日のサッカー試合国のミュージシャンたちが出演するという趣向だ。会場を縁取るように、メキシコ、アジア、ドイツなどの屋台が並び、マッサージ屋も出ている。サッカーのミニゲームをしているグループ、端に設置されたロッククライミングの練習用の岩に挑戦している人、フリスビーに興じる人、寝そべって本を読む人、水着姿で日光浴をする人、試合がなくても、ライブがなくても、それぞれの時間を過ごしている。

24日は、17時から決勝トーナメントに進んだドイツの試合があるため、3時間ほど前から人が集まりはじめた。黒、赤、黄色のドイツカラーを身につけた人が圧倒的に多い。

16時を過ぎると会場は人で埋まり、スクリーンではレゴがサッカーの試合をするというアニメーションが放映され、ボルテージのあがりはじめた来場者はレゴ人形がゴールを決めるたびに叫ぶ。そして試合開始。ドイツ国歌の斉唱とキックオフの合図で会場はいっきに熱気をおびた。

翌日の15時からはメキシコのバンド、ロス・デ・アバージョ。サッカー観戦のときは、みんなが前方のスクリーンに集中するが、ライブは違う。ロス・デ・アバージョのサルサ、スカ、パンク、ファンクのミックスしたアナーキーな音楽にのって、舞台の前で皆、自由気ままに踊っている。少し離れたところで寝そべって楽しむ人もいる。昨日とはうってかわって和やかな雰囲気だ。日曜日ということもあって、子ども連れでピクニックに来たという雰囲気の親子連れも。軽快な音楽が響くなか、17時から始まるイングランド対エクアドル戦を観戦する人が真剣な足取りでスクリーンに向かって歩いていく姿もあった。

国境を越える音楽と、国の名前が連呼されるワールドカップ。緑に囲まれた「ポップキック06」の会場は、この二つがちょうどよく調和されているのかもしれない。

ポップキック06
会期:2006年6月9日〜7月9日
会場:トレプトアパーク(Sバーンシュレジッシェストア、Uバーントレプトアパーク)
入場料:3ユーロ(バンドにより7.5ユーロ)
http://www.popkick.de

Text and photos: Ayako Yamamoto

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