OFFFフェスティバル2006

HAPPENING

第6回目となる「OFFFフェスティバル」が開幕を目前としている。今年はフェスティバル訪問者のみでなく通りすがりの人も利用できる小さなマーケット「エル・メルカディージョ」が、屋外中庭のバー横に設けられている。

今年もまたこのフェスティバルは、バルセロナ現代美術館「MACBA」の広大な敷地を共にするコンテンポラリー・カルチャーセンター「CCCB」にて行われた。


このフェスティバルは、6つのセクションで成り立っている。屋外に設けられた先程の「メルカディージョ」、建物の中の展示スペース「ショープレイス」、カンファレンス・ホール「ルーツ」、新人を紹介するスペース「オープン・ルーム」、実験的エレクトロニック音楽を公開するスペース「ルーピタ」、そしてメインビルディングに設けられた上映用のスペース「シネキシン」だ。

開幕式は12時に始められる予定で、20分前にはドアが開けられることなっている。開幕ぎりぎりになってメインホールに位置するプロジェクターに機械的なトラブルがあることが判明したが、ほんの少しの遅れをとっただけですべて正常に動き出すことができた。


The user as the Interface, Craig Swann. © Borja Delgado

このフェスティバルは、クレイグ・スワンと「インタラクティブ・イマジネーション」とよばれる協会が主催となっている。クレイグは彼自身のループラブス・プロジェクトというPSPを、簡単に操作ができるオーディオ用音量調節装置を披露する。
さらに、動きを捉えることができる視覚的反応に基づく新しい形のインタラクションを披露。彼はどのように利用者が1つのインターフェースとして取り込まれることができるのか、また実際のところ「マイノリティー・リポート」のような未来的ハリウッド映画に対して、どのくらい閉鎖的であるのかを、単なるフラッシュアプリケーションとウェブカムのみを使うことで紹介する。

彼のほかのインターフェース実験では、利用者の手製のトラックによって制作された「iLock」や「Etherwatch」のようなとても初歩的な手製の周辺装置に基づくものもある。クレイグは永久に終わりが来ないという生成的な音声のCDをかけながらスピーチを終わらせる。たとえ何度もそのCDを再生したとしても、発せられる音は同じになることはない、果てしないものなのだ。またクレイグは、彼自信の哲学として大きな企業内にいるよりも、もっと個人的な制作が出来る様な独立したスタジオとして、小さく保っていくほうが、自分の信念だということも教えてくれる。


Visualization project by Santiago Ortiz

次の公演者は生物デジタルアートの3つのコードについての推論を紹介する「サンティアゴ・オーティズ」。
数学、音楽、また文学における彼の背景において、彼らのほとんどの作品が研究と教育の間を行き来し、また彼は主に人為的な生命と生物学的データの視覚化の研究を中心に行っている。

彼らは、プログラミングと遺伝子や言語に関するコードが共存し、異なる方法でつながり合う世界について話す。
実存する細胞のコピーによる自己再生の簡単な例とともに、彼らは「OOプログラミング」によって、実際にプログラミングコードがコピーされる種の革命について例証した。そのプログラミングコードは、実際には複製されたもので(また変化可能であり)、いつでもひとつの細胞が複製によって生成され、実際の微生物やそれらの遺伝子記号と全く同じものが発生するのだ。
似たような方法で、彼は各々の細胞がもつ言語記号が位置するより複雑なシステムを見せてくれる。それは文法的に正しい文章であったりするのと同じだ。この場合、どの細胞も他の一番初めの細胞の文章の一部を含む細胞を得ることで成長することが出来る。得られたほうの細胞は言うまでもなく消滅する一方で、もう一方の細胞は成長しより難しく複雑な文章(言語記号)を含むことになる。

彼らはまたゲノムの視覚化に基づくプロジェクトについても紹介する。そのプロジェクトというのは実際のところ芸術的な破片として開発されたにもかかわらず医療学会で展示されたものだ。そこで彼の教育的なプロジェクトについても見ておかなければならないだろう。それは「フロム・ミクロコスム・ガイア」という宇宙の歴史についての探求で、異なったインターフェースと誘導的な実験とに分けられる。複雑性がタイムラインのなかに存在するように、彼らは同じインターフェースの中で全く異なるタイムスケールを明らかにする能力を模索するのだ。

カンファレンスのなかで、今年最も素晴らしかったものの1つは、「データ処理の仕方」というタイトルのジョナサン・ハリスマルコス・ウェスカンプによるジョイント・カンファレンスだった。


wefeelfine.org presented by Jonathan Harris

ジョナサンは「ウィー・フィール・ファイン」という驚くべきアプリケーションも紹介した。「ウィー・フィール・ファイン」とは利用者たちが感情とともにメッセージを残すことの出来る共同体プロジェクトだ。メッセージには写真もつけることが出来る。そのアプリケーションはすべての利用者をスクリーン上で滑らかに動く、色の着いたダイナミックな微粒子として視覚化する。それぞれの微粒子は自然な感情をそれ自身の特性(色、大きさ、不透明度)にしたがって視覚化され、表わされる。訪問者たちはデータにフィルターをかけ、たとえば曇りの日の30代の男性の感情などを視覚化することができる。このアプリケーションにおいてもっとも特徴的で印象的なことの1つは、ジョナサンがどのようにその微粒子を視覚化するためにライブで異なる過程ステージにおいて再利用するのか?ということだ。それによってとても素敵なアプリケーション内での流れが作り出される。

「ウィー・フィール・ファイン」ではXMLを基礎とするAPIも行う。このAPIは、アクセスしXMLデータを分析することによってフラッシュのような他のアプリケーションの中で他の開発者たちにデータを視覚化させる。ウェスカンプは、フラッシュ・モーションに含まれる濾過された「ウィー・フィール・ファイン」のデータのライブの視覚化などの小例を紹介した。

ウェスカンプは、樹形図アルゴリズムを使った、Googleニュース上で区域ごとに地形を視覚化する「ニュースマップ」とよばれる有名なプロジェクトも紹介した。彼は視覚化という点において、どのように情報を最大限に利用することが出来るのかということも論証する。

ジョナサンは、視覚化アプリケーションである「10×10」というとても有名なプロジェクトについても紹介した。「10×10」は、訪問者に数時間前に世界中で何が起こったのかを、100枚の写真と1つ10×10の格子の中に各々の写真に関連したヘッドラインを短時間に見せるといったものだ。格子は、ロイター、BBC、ニューヨークタイムズから得たニュース・データから構成される。それは一時間毎に更新され、アーカイブへと溜め込まれていく。つまり過去の景色も、いつなんどきでもアクセス可能になっているのだ。ジョナサンは、同じ写真が画面いっぱいに繰り返されることによって、一瞬がどんなに重要で認識を深くするものかということも教えてくれる。

ジョナサン・ハリスが紹介したもう1つのとても興味深いプロジェクトに「ワールドカウント」というものがある。これは英語でもっとも多く使われる人気のある単語リストを見せてくれるというもの。インターフェースは利用者に単語を検索、またランクの位置づけを可能にさせてくれる。彼は「クエリーカウント」という、もっとも人気の高い利用者による「ワールドカウント」の問い合わせの計算によって、同じ言葉を表記化するという特別なアプリケーションも追加させた。私たちが初めに見つける「クエリーカウント」は「セックス」という言葉で、それは「ワールドカウント」1236番目にランク付けされる。


Joshua Davis during his speech. © Borja Delgado

ブラッドレー・グロッシュは、彼の父が自動車事故にあうという不幸があったため祭典に顔を出すことが出来なかった。そのことについて心からお悔やみ申しあげたい。彼が無事であることを願うところだ。ジョシュア・デイビスは、今年、講演予定者とされていなかったのだが、ブラッドレーの代理人として彼の昨年のプロジェクト「BMW Z4・バイ・ジョシュア・デイビス」をプレゼンテーションした。

ウィー・ワーク・フォー・ゼム」は、ある技術的な故障がコンピュータに起こってしまったようで、彼らの考え方について短い話でつなぎとめ、即興に間に合わせなければならなくなってしまった。わたしたちは皆、彼らの最新の作品を楽しみしているが、残念なことに目にすることは出来なかった。

フェスティバル初日は、ナンド・コスタの講演によって幕を閉じる。ナンドは、彼の最近の広告の仕事までにおける、初期のモーショングラフィック作品を紹介した。素晴らしい作品とサン・パウロの背景で演出され、素晴らしいスピーチが披露される。

主催者によって用意されたワイヤレスLANの大量使用によって「ショープレイス」(展示室)に来客者が足を運ぶことが出来ないまま、初日はすぎてしまった。そのため主催者側は「ショープレイス」用にケーブルインターネットを取り込むことに切り替えた。

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