アルバニー・バルブ

PLACE


Unknown artist – Emeryville mudflats, circa 1980


「アルバニー・バルブ」に入るのは、少々プライベートを侵害するような気持ちになる。道は舗装されていないし、他のベイサイドパークに見られるような明確な提示もない。生々しく、草木が茂り、工場廃物が散らばっている。「バルブ」の奥へと進むと、その無印の道は分かれはじめる。茂みの中のトンネルか、行き止まり、または出戻ってくる道。最終的に、その「バルブ」の最西端にたどり着くと、そこはベイブリッジからエンジェル・アイランドにかけての広範囲な景色が広がる、ゴールデンゲートブリッジ正面の海岸線だ。ここが、そのアートに気付くはじめの地点になる。

アートや彫刻の群れに気付かなくとも、ここは息を呑むような場所だ。最初に目につく「ハート・キャスル」は、捨てられたセメントで組み立てられ、刺激的な色で塗装されたへんてこな建物。北を歩き回ると、散らばったアートが密集しはじめ、あらゆる方角の風景に、変わった修飾が加わる。


Sniff – Arch of Sniff (made from salvaged styrofoam blocks)

サンフランシスコ・ベイ」の東海岸はもう長い間、廃物利用アーティストの場所とされてきた。「エマリ−ビル・マドフラッツ」というベイブリッジの側のエリアは、大規模で品粗な彫刻のための良く目立つ展示スペースとして、また天然資材のまかない屋として役立ってきた。80年代後半の高速道路拡大で、このエリアは取り払われ、アーティストは他の場所に送られた。そのうちの1つが数マイル北に位置する「アルバニー・バルブ」だった。
「バルブ」はゴミ捨て場として建てられ、有毒なので発展しないと考えられていた。60年代後半のウォーターフロント環境法令への変更で、ゴミは捨てられなくなり、20年もの間使われずに佇んでいたのだ。ゴミ捨て場としされてきた頃の廃物資材が豊富にあり、この場所は廃物利用アーティストの理想だった。


Sniff – Wheel of Life

80年代から「バルブ」はアーティストに使われていたが、ここ5年くらいの間にアートが激増したのだ。へんてこな構造物、大規模な彫刻、カラフルな壁画が、目眩がする勢いで現れた。2度訪れても同じものは見つからない。「スニ−フ」として知られている団体は、「バルブ」の資材を最も活用するアーティストとして自らを掻き立てた。「バルブ」の北西の角はすべて、「スニ−フ」の作品のためのギャラリーと化した。大きな壁画のラインが小道になっている。「バルブ」の不明確な運命や論争の増加により、「スニ−フ」は昨年のいつかより、活動を辞めてしまったとの噂がある。

他のメジャーな「バルブ」アーティストには、オーシャと、「バルブ」のホームレス住居の立ち退きを代表する弁護士でもある古くからの廃物彫刻家がいる。


Osha Neumann and Jason De Antonis – Man Riding a Dragon

「アルバニー・バルブ」は現在、その特徴を失う危機にさらされている。この入口付近にショッピングモールを建て、天然公園を人工に返るという計画があるのだ。たくさんの様々なグループが「バルブ」をそのまま手にしようと、大きな戦いに備えているが、力のある開発者たちももちろんウォーターフロントの価値ある場所に目を光らせている。アルバニー・シティーとパーク・サービスによると、数日は彫刻、インストール、仮住まいの数をつけることにかかるとのこと。

廃物アートの自然は、不要なものから貴重なものへ変わりつつある。「バルブ」は変わったアートのための理想的な場所であるが、くずから美へと変更していく意気が、このスペースの未来を越えることは確かだ。


Albany Bulb

アルバニー・バルブへの行き方は、ここから

Text: Ammon Haggerty from Qaswa
Translation: Yurie Hatano

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