ハビタス

PLACEText: Samantha Culp

香港の著名なアーティストでありデザイナー、キース・ツァン・タク・ピンが運営するデザイン・スペース、ハビタスに足を運ぶと、タイムトラベルをしているような気になる。まず、上環のMTRステーションの一つから、アンティークな鉱車道を通り、歴史的なウエスタン・マーケットの赤レンガと白いモルタルへ向かわなければならない。中に入ると、ゲルマンのケーキショップや織物商店の列からなる、ビクトリア調の建造物を見つける。

エッシャーのような鉄の階段(ロサンゼルスの有名なブレードランナー・ブラッドベリー・ビルのなごりの)に勇敢に立ち向かい、流れる音楽に従って3階へ。するとそこでは、中年の香港人が社交ダンスのクラスでクルクルと回っている。浴室と半分隠された階段へ向かい、ハビタスそのものに登る。そこは、過去が小屋になっており、デザインの未来が待つ場所だ。

この特別な夜、ハビタスは、最近の再オープンと(もう何ヶ月もこのショップは、滅多にオープンせずという状態だった。が、新しい時間帯、商品、イベントをリノベートした。)ビデオアート・アニメーションDVD「PLAY>」リリースの両方を祝っていた。パーティは、モナーム(フランス人のセドリックとシルバンから成るエレクトロニック・ミュージック/ビデオ・デュオ)と、HCギジー(ノルウェーのサウンド/ビデオ・アーティスト)による中庭でのパフォーマンスで始まった。彼らは徳輔道の反対側にあるドックと大規模な高速道路から撮ったライブ音とビデオを掛け合わせた。シンプルで催眠的に、車のビデオが速度を落とし、重なり、色褪せ、詰め掛けながら、時間は駆け巡る。サウンドは、その街のミュージック車のタイヤ、メタルミ−ティングエア、ホーン、の夢のように巡り、全てが交ざってハードエッヂをソフトに暖かく見せていた。

そのパフォーマンスが終わると、「PLAY>」からのセレクションが上映され、来場者は皆、折りたたみ椅子や「ハビタス」戸外のレンガの中庭に座り、ワインを飲んだり囁きあっていた。予想通り全ての“ゲーム”や“プレイ”の形が、フィルムの焦点である。香港アーティストのセレクションが沢山あった。ホー・シウケイの「カウンティング・フロム 1 -100」(カウント、数学、ミラーの思索)、フン・キュンの「タイム・リキッド – 2プレーヤーズ・バージョン」(ビデオのスチールからできたシリンダーを使ったタイムゲーム)、ジャムセン・ロウの「ア・リトル・リトル・ゲーム」(抽象的に捉えられたゲーム。若い女性がクレヨンで本に色をつけると、ビデオ画像も徐々に白黒からフルカラーになる。)全てのプログラムの中で、最も良かった作品の一つが、エリック・シュウ・チーマンによる「スーパー・コップ・ワールド」という名のジャッキー・チェンとスーパーマリオブラザーズを掛け合わせたものだ。

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