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コニー・アイランド

PLACEText: Garry Waller

ここの人々は、都市に行き交う人々が大急ぎで追う物質主義にはあまり気付かず、カオスから離れて自分達のことに取り組んでいるように見える。リールを下ろす全てのものに幸運をかける漁師、遊歩道で踊るラテンダンサー、ブライトン・ビーチに隣接するコミュニティーから溢れ出るロシア人、ただ座っているだけで何もしないイタリア系アメリカンの年金受給者。また、子供がいるブルックリン人も蓄えで夏の数カ月をここで過ごし、ビーチや、遊歩道で売られるフライ料理を最大限に利用する。これら全ての行動は、コニーの有名な遊園地の豊かな背景と、この街の他の場所では見つけられない建物に結び付く。

未経験者にとって、コニー・アイランドは多くの都市に見られる全面的な高級化を避けてきた場所に見えるだろう。ここは家賃もまだ比較的安い。推測するに、高級化を利用するのには少しばかり都市から離れ過ぎているからだ。しかし、コニーの衰退の様子に変化を加える計画は、静かに進んできた。都市開発計画は、2004年、近所のスティルウェル・アベニュー地下鉄の改良、キースパン公園の建設、シー公園の800のアパートの改良などにて取りはからわれた。

そしてこれら全てのプロジェクトへ続く道路も、そのエリアを綺麗にするため未だに鋪装されている。映画館、ボーリングのレーン、アーケード、ショッピング・モール、カジノ、そして贅沢なアパート建設も、全て計画されている。従って、地元の人々がこれら全ての再開発に流され、コニー・アイランドが作り上げてきたユニークなキャラクターを奪われることも、もちろん懸念されるわけだ。綺麗に磨かれ、手書きの標識は組み立て式のプラスチックに変わり、とても面白い質感の全ては滑らかで輝きのあるものになるのであろう。行けるうちに行って欲しい。迫りくる変化の海に!

Text: Garry Waller
Translation: Yurie Hatano
Photos: Garry Waller

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