CET 04

HAPPENING


ここ数日間、赤いパンフレットを片手に、これまであまり足を踏み入れることのなかった東京の東側、“セントラルイースト東京(=CET)”をくたくたになるまで歩いた。このエリア一帯で、10日間にわたって開催された「CET04」を見てまわるために。

イベント期間中、会場として無償提供された、このエリアに点在する空きビルや空き物件は約80ヶ所と、とても一日じゃまわりきれないボリューム。即入居可というようなキレイな空間から、建っていることすら不思議なくらいの古い趣きのある物件まで(ほんとに驚くほどボロい所もある)、会場となった物件は実にさまざま。それらのスペースと参加した約100人のアーティストとをマッチングさせ、それぞれが思い思いに展示を行うというアート&デザインのイベントが「CET04」。ほんの少しだけれども、CET04の雰囲気をお伝えしよう。

グラフィック、ファッション、映像、音楽などなんでもありのユニット、Blood Tube Groupによる、身に付けることでコミュニケーションをとる「Blood Tube Wear」。キュートでポップな空間がこの奥に。入り口の赤い幟がCETの目印。

ビジュアラー、太公良は、建具屋と手ぬぐいを扱う企業とのコラボ作品を展示。テーマは「route(道)/root(根)」。ベルトコンベアのような機械的な感じと、手ぬぐいが長く繋がっていくやわらかい美しさが印象的。

浅草橋の交差点に鎮座する印象的な建物、第一コスガビル。外観に負けない風格漂う室内には、アーティスティックな作品が集まった。flaskの手による、全面をビーズに覆われた白いイス、UniteBowsのパターンを使ったインタラクティブ作品、福津宣人の楕円の組み合わせて描かれたドローイングなど、見どころ満載の必見スペース。

地元商店企業(とんかつ屋、和菓子屋、ハンコ屋、喫茶店などなど)のオリジナル広告を制作し、JR馬喰町駅通路に展示した「bakuroAD2004(バクロードにせんよん)」。地域とのコミュニケーションを必要とする、CETらしい企画。Lallasoo Poopo Lab.広岡毅大日本タイポ組合草野剛白根ゆたんぽ遠山敦、ASYL CRACK、山本ムーグ、小田島等、石黒景太、前田晃伸、千原航(企画&仕切り人)という豪華&濃ゆいメンバーが制作する地元広告とは・・・?!最終日、クロージングパーティ終了後もなお制作中のアーティストが・・・(協賛:PRINT’EM by三菱製紙)

井口弘史、伊藤桂司、宇川直宏、草野剛、五木田智央、佐藤直樹、タナカカツキ、東泉一郎、ヒロ杉山、松蔭浩之という、ありえないメンツが揃った「モーホー・デザイナー男子寮(2)」(千原航は残念ながら欠席)。昨年のTDB-CEでの「お絵描き」に続き、ねんど展を開催。初日にみんなでせっせと制作し、会場では作品とメイキングビデオを展示、上映。写真は、驚異的なスピードで作り上げ、中でもインパクト絶大だった五木田智央作「宇川直宏」。肩に乗っかっているのはウズラ。

神田と言えば! かどうかはわからないけれど、13組のアーティストがスノーボードをキャンバスにペイントを施したエキシビション「DRIVE ON BOARD 2004@LABLINE.TV」は神田のギャラリースペースで開催。かなり本気な作品たちは、展示と同時に1円からのオークションがスタート。結果やいかに?!

伝説のアートユニット、COMPLESSO PLASTICOがCETで“期間限定”復活。作品のタイトルは「愛と温泉」。大入満員・大盛況も、最終日の夜マシンが壊れて突然終了。かなり楽しい、もわもわ&しゅわしゅわの体験型アトラクション。体感できなかった人はかなり惜しい・・・

いろんなもの・ことが混在し、しかも同時多発的なのがCETらしいとはいえ、これ以上に頭を悩ます、ねじれた企画は他には見つからない。m.magic.KOBAYASHI率いる「呑み会ライブインスタレーション」。前日以前の映像とリアルタイムの映像が居酒屋風(茶の間風?)の狭い空間に同時に映し出され、見ている人をカオスへ引き込む魅惑の作品(?)。DJ・VJあり、ライブペインティングあり、ちゃんこ鍋あり・・・。写真は“YUTOONZ”(今井トゥーンズ+白根ゆたんぽ)のライブペインティングの模様。

とにかく歩く、見る、飲む、食べる。アートとデザインのおしゃれイベントかと思っていたら、ほんとにいろんなことがあちこちで起こっていた。すべてを見るのは到底無理で、もったいない気もする。もう少しまとまって見られたら、もう少し期間が長かったら・・・思わないでもないが、思うだけなら簡単だ。現在のCETは、このエリアを愛する人たちの気持ちに多くを支えられている。この状況はとても危うい。CET自体の存続問題にも関わってくることかもしれない。もっともっと多くの人がCETを知り、「都市再生」なんて難しいことはあとから考えることにして、とにかく楽しむ! 参加する! そういう人たちが増えたらいいと思う。その上で、この街が変わっていく姿を見ることができたら、それはとても貴重な体験なのだから。CET、新たなムーブメントを起こすポテンシャルは十分に秘めている。来年は参加者としてどうぞ!

CET04(Central East Tokyo 2004)
会期:2004年9月18日〜26日
会場:御茶ノ水、神田、秋葉原、馬喰町、日本橋、八丁堀を中心とした空き物件、空地、学校、飲食店、地下道など
http://www.centraleasttokyo.com



CET(昨年は「TDB-CE」)の活動を記録した『東京R計画 〜RE-MAPPINGTOKYO』という書籍も同時に刊行。この中には、“デザイナー自身の企画による雑誌”『NEUT.005』(アジールデザイン/2001年より不定期刊)も書籍内雑誌として登場し、ビジュアルブックとしての顔も併せ持つ。CET04に行った人も行かなかった人も、よりディープにCETを知ることができる1冊。

東京R計画 〜RE-MAPPINGTOKYO
Central East Tokyo 編
(晶文社刊)
A5判 352頁
定価2,500円(本体2,381円)
ISBN:4-7949-6634-2 C0052
http://www.shobunsha.co.jp
※「東京R計画 〜RE-MAPPINGTOKYO」は、アマゾンで購入できます。

Text and Photos: Yuki Ishida from Web Designing

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