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BOOK 246

PLACEText: Yuki Ishida

一方、「ハイエンド」「カッティングエッジ」をテーマに、新進デザイナー、アーテイスト、ブランドを世界中から召集したセレクトショップ「LOVELESS」。『世界観を見せたいというのはあると思うんです。だからこそ、その店の洋服が載ってる本を置くよりも、イメージを刺激するようなものをセレクトしたいと考えました』。


LOVELESS

セレクトショップでは、ディレクターの世界観をいかに本でサポートするかが大事だと考える。ここでは「ロック」と「ファッション」という2つのテーマでセレクトにあたっている。一見したところ、「BODY」をテーマにした写真集が多いのは「ロックでグラマラス」というイメージから。しかしそのイメージは単に内容だけでなく、本自体のグラマラスさ(過剰な装丁とか)へとひろがっていき、今のセレクトになった。

今後は「ロック」と「ファッション」というテーマに関する本をもっと増やし、テーマに沿った本がアーカイブ化されている、という空間を目指す。新刊を引き立たせるための古書だったり、逆も然り。ここでもまた、新刊、古書の区別はない。

LOVELESSは立地も良いので、もう少しゼネラルにしてもいいかもしれないと、もう一人のディレクターとも話している。「今月のあの雑誌出てたよね」とふらっと立ち寄ってくれるような、ファッションというジャンルに特化したスペースにするという手もある。それはそれで可能性はけっこうあると考えている。


LOVELESS

ここまで聞いて思うのは、セレクトされた「本」にはどんな意味があるのかということ。本屋であれば、他店と同じものを同じ値段で売っているとしたら、あとはどう並べるかが勝負となる。またファッションのセレクトショップであれば、そのお店が誰に向けられたものなのか、どんな世界観を演出したいのかという、ショップ自体のコンセプトを補うものでなければならない。そして両者に共通するのは「ショップが考えてることを伝えやすい」という点に尽きる。

『昔は本のセレクトショップと言うと“おしゃれな洋書”というジャンルしかなかったように思いますが、今はもう少し、そのお店との関わりみたいなものを考えて本を選んでいる気がします』。ここに、大型書店とはまったく異なる、本のセレクトショップが増えている理由があるように思える。

最後に、自店との目線の違いについて聞いた。『セレクトショップには独自の世界観があるわけだから、そこに自分の感覚を足していけばいいと思います。ユトレヒトは逆に、恥の展示場みたいなものなので、自分の好きなものしか置いていません。恥ずかしいですけど、ストレスはないです。』

他店に携わるようになって、自店に関しては、売れることよりも自分の興味ある方向に狭まっていっていると言う。ただ興味はその時々で変わってくるし、その都度そういうものをストックしていける場所になっていけばいいと考えているのだそう。

BOOK246
営業時間:11:00〜23:00
住所:東京都港区南青山1-2-6 Lattice青山1F
TEL:03-5771-6899
https://www.book246.com

LOVELESS
営業時間:12:00〜22:00(日・祝日20:00まで)
住所:東京都港区南青山3-17-11
TEL:03-3401-2301
https://www.loveless-shop.jp

Text: Yuki Ishida

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