ギャラリーここ
PLACEText: Shinobu Ono
メゾン マルタン マルジェラなどを展開するファッション・カンパニー、スタッフ インターナショナル ジャパンの広報と編集者により、同社が所有するスペースに設立された不定期開催のギャラリー。昭和37年竣工、元工場を改装したというビルの2階に、古い建物自体の魅力をそのまま利用した展示空間が広がる。
Photo: Shin Suzuki © Courtesy of Team Gallery
オープニング展は、ライアン・マッギンリーなど注目を集める作家が揃うニューヨーク「チーム・ギャラリー」のグループ展。その後の、音楽家・渋谷慶一郎による公開制作の展示では、Ustreamと連動させ音楽を作る過程・行為そのものを一般公開した。2011年5月には、ホンマタカシ「Seeing Itself<建築写真編>」 を開催。
ホワイトキューブでは無い分、展示には工夫が必要になる。プロジェクト毎に専門家の協力を得ながら、展示空間をどう魅力的に見せていくのかが工夫されている。これまでに、建築家の重松象平や大西麻貴が担当し、ユニークな空間構成でも話題となった。
Photo: Manami Takahashi
『普段の自分の生活における感覚がそうであるように、ファッション、アートといった境界線を特には意識していない。アートの文脈に忠実でないこともあるかもしれないが、純粋に自分たちが今、面白いと思う物事を発進しようとする意識がある。』と、設立から運営まで携わる簱福公子氏は語る。創設者の二人は、共に建築・デザイン雑誌の編集者であった経歴があり、そこで培われた感覚も運営に生かされているという。
自由度が高く、ハプニング的に発生する企画もあるそうだ。自由なスタンスとフレキシブルなフットワークの中で、こだわり抜いて展開される企画は、カルチャーの坩堝(るつぼ)であるこの東京においてなお、新鮮な感動を与えてくれる。ギャラリーここの今後の展開に注目したい。
gallery koko
住所:東京都渋谷区恵比寿南2-8-13 キョウデンビル2F
営業時間:12:00〜18:30 ※不定期開催のため、会期中のみ営業
TEL:03-5794-9940
https://www.gallery-koko.com
Text: Shinobu Ono