クオランティン・シリーズ

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クオランティン・シリーズ(以下 QS )は、アムステルダムのコンテンポラリーアートシーンに現れた、新しいプロジェクト。アムステルダム市内のエキシビジョンスペースで、国際的なコンテンポラリーアートの展覧会やイベントを展開している。このプロジェクトを手掛けるキュレーター、ニナ・フォルカースマにこのプロジェクトについてお話を伺った。

デ・アッペルのキュレーター養成コースに参加したニナは、2001年に「SKL6」 (新進のアートプロジェクトを支援する財団)の所有する場所で、シリーズ形式のエキシビジョンを開催した。彼女は、現在でもアドバイザーとして SKL6の委員会に関わっている。そのエキシビジョンは、以前、巨大なスペースで開かれたことのあるシリーズの一環だったそうだが、彼女はこれをきっかけに、もっと小さな場所でダイナミックなエキシビジョンやイベントを作り出したいと思ったと語る。ニナは、今アムステルダムで最も文化的な動きが活発なエリアの1つにある、昔はアメリカへの亡命を望む人達が船に乗るまで身を置くために使われた建物を、その場所に選んだ。

ニナは、空間をカフェとしても利用することで、エキシビジョンをもっと広く様々な人が近づきやすいものにしたいと考えていた。 QS は12ヶ月間のプログラムを示し、2003年6月にスタートした。彼女はその頃、アムステルダムのアートシーンではまだ誰も始めていなかった、「国際的な才能を取り上げる」というところに目をつけ、実際 QS はそれで多くのファンを得た。彼女のコンテンポラリーアートへの情熱と独特のテイストで、パリのパレ・ド・トーキョーのように多様性を持った場で活動をするアーチストとの関係を築きあげることに成功した。物語が章ごとに切り替わりながら展開していくようにエキシビジョンを開き、空間をさまざまな形で利用するというアイデアで、 QS は国際的にも名を広げた。

これまで QS にフィーチャーされたアーチストは、ジャン・クリステンセン、アラン・デクラーク、プラメン・デジャノフ、ボレ・セスレ、ライク・ア・ティム、プランニングトロックなどがいる。

インタビューをした日はちょうど、日本人アーチスト、山出淳也の展覧会最終日だった。イラストレーターのオオキシ・アキノリが参加した興味深いプロジェクトで、このスペースがカフェであることを改めて気づかされるものだった。その空間へ足を踏み入れると、彼らの作品は「遊んで」と私に呼び掛けているかのように見える。作品のコンセプトは、「見る人に参加してもらうこと」。また、絵はこの建物のあるエリアの歴史と深く関連している。彼はこれを見る人それぞれの創造力を引き出し、歴史に対する自分達の考えを表現してほしいと考えたようだ。

ニナの眼差しはひたむきに、 QS の持つスタイルと展示する作品の内容へと向けられている。 QS は1つのブランドとして、自身のスタイルとビジョンを持っており、ロゴやその他の制限はなく、アイデンティティやプレスリリース、招待状はそれぞれが異なるユニークなものとなっている。グラフィックデザイナーのルナ・マウラーが、オランダを率いるタイポグラファーによるフォントを使用してデザインした招待状は、すぐに QS のものだと分かるものだった。ウェブサイトもユニークで、1日1日がすべて異なる色で分けられており、その日に何が行なわれるのかが記されている。

これからの予定を尋ねると、 SKL6のスペースを国際的なグループショーを行なう為に利用していきたいとのこと。また、市立博物館にできた新しいスペースでのイベントの開催や、 QS の招待状を1つにまとめたものを出版しようとかいうプランも持ち上がっているようだ。他には、国際的に大きなアートイベントで、時事的なドキュメンタリーを制作しており、昨年のベニスビエンナーレでの成功に引き続き、次回も参加を予定している。次なる目標は、オランダのテレビ局、VPROで放送されることだという。6月には、オープン・オフィス・プロジェクトと題するエキシビジョンを控え、そこでは QS の12ヶ月を振り返る。

Quarantine Series
住所:Rietlandpark 375, 1019 EM Amsterdam
TEL: +31 (0)20 419 3851
http://www.quarantine.nl

Text: Ania Markham from Post Panic
Photos: Mark Visser from Post Panic
Additional photos courtesy of Quarantine Series
Translation: Naoko Fukushi

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