コンパクト・インパクト・ナイト

HAPPENING


1月16日のニューヨークは、とても寒い日となった。その夜、気温は-10度近くまで下がり、北極の突風が吹いているかのように冷えきっていた。こんな天候になる度に、時々考えることがある。マンハッタン島は、海に浮かぶ岩盤で、本土から離れ、ニュージャージーよりも北極側へどんどん近付いているのではないかと。

この放浪のボート都市ニューヨークは、いつものように賑わいをみせ、TKNYの「コンパクト・インパクト・ナイト」には大勢の人々が集まっていた。“ハイテクガジェット・ミーツ・アートギャラリー”という名声をあげたイースト・ビレッジのこの小さなショップは、新興のエレクトロニック・アーチスト達の作品発表とイベントスペースとしてオープンした。毎月、才能あるクリエイター、デザイナー、アーチストや学生を広く興味のある人達へ紹介することを目的としたイベントを開催していく予定だ。

初の展示は、インタラクティブ・デザイナー/アーチスト、VJ、ミュージシャン、DJによる、10作品のショーケース。通常のオープニングパーティで見られるように、フリードリンクとなっていて、会場は移動するのも困難なほど混雑し、作品をゆっくり見ることができなかったが、興味深い作品もいくつか視聴することができた。この夜のサウンドトラックは、パーティの雰囲気とマッチしていて、GELとジャイルス・ヘンドリックスによる、映像とライブDJセットによるパフォーマンスもとても良かった。

TKNYの入り口では、ガラスファザードに写し出された「ピクセル・リプル」という作品に出会った。ダニエル・シフマンのキャッチーなこの作品は、寒い外で歩いている通行人の動きによって生成されるというもの。

会場内では、人々が自由に無駄話をし、ビールを楽しみ、LEDによる「ダブル・キュート・バトル・モード」を楽しんでいた。この作品は、対戦型の3D VJバトルゲームで、プレステのようなコントローラーでプレイするもの。実際体験してみると、ゲームというよりも、フリースタイルのビジュアル・ジャムセッションのような感じで、VJがどういうものかというのを体験できた。

ジョシュ・ニモイの「ボール・ドロッピング」は、物理的なインタラクションを体験する作品。このサウンド・トイのインスタレーションは、ノイズパターンをつくるためのキャンバスが用意され、そこに黒い木製の棒を置くことによって、そこに置かれた位置に対応して、天井への跳ね返りにより、ドットを形成するというもの。飛び跳るピクセルは、楽しくも耳障りな音ととてもマッチしていて、この作品の周りに集まった人達を楽しませていた。

そして、ジェームス・クラー、アレル・チュリ、マシュー・モア、ショーコ・ホンダの作品は、技術の可能性の探求と、空間とアートを見事に融合させ、この初日の夜の出来事を価値のあるものにした。
今夜のショーは、テクノ・アートフォームの発展とそれを体験する為のプラットフォームとして機能していた。航海し続けるこの船は船出をはじめたところだ。

TKNY
住所:21 Avenue B (Bet 2 & 3st), New York, NY 10009
TEL:212.677.0500
www.tkny.com

Text and Photos: Carlos J. Gomez de Llarena from Med44
Translation: Naoko Fukushi

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