SWARM 4

HAPPENING


今年も「SWARM」の 季節が来た。夏の終わりを告げるサマーフェスティバルでもなく、秋の始まりを知らせる季節行事でもないけれど、バンクーバーのアートシーンを盛り上げる盛大なイベントだ。

SWARM は、非営利で運営されているギャラリー(アーティスト・ラン・センター)が主催となって行われるイベントであり、今年で第4回目となる。一晩だけのアートイベントから3日間に期間が拡大され、各夜エリア別にオープニングレセプションを楽しむことができるようになった。

一日目は、マウント・プレザントエリア。メインストリートを中心にアンティソーシャル、ダダ・ベース、ファンデーション、アイオンギャラリー、ビデオ・インウェスタン・フロントグラントギャラリー、ブッチャーショップギャラリーの8つの場所が会場となった。アーティスト・ラン・カルチャーを支えているのは、ギャラリーだけではなく、ブティック(ダダ・ベース)やカフェ(ファンデーション)、スケートボードショップ(アンティソーシャル)であることも、このシティのアートに対するサポーティブな姿勢がうかがえる。

二日目は、ガスタウンエリア。バンクーバーの主なアーティスト・ラン・センターは、この区域に集まっており、ビーフライ、ダイナモ・アーツ・アソシエーション、ブレイクス、アートスピークアクセス、インターアーバン、ギャラリー・ガシェ、クライングルーム、シュガーアンドシュガー、アイロンワークスの10ケ所で開催された。

最終日である三日目は、イェルタウンエリア。オア・ギャラリー、ヘレン・ピット・ギャラリー、センターエーワンポイントシックスベルキン・サテライトのギャラリーに加え、今年は、キャセドラル・パークでビデオ・インによる野外上映が開催された。賑わいをみせたのは、センターエーの「フィロソフィー・アンド・サイエンス・オブ・ミューテーション」。今年ヘレンピットアワードを受賞したババック・ゴルカーによる写真、フォトパフォーマンスビデオ作品展だ。

今回のエキシビションでゴルカーは、ヒューマンコミュニケーションを表現している。ゴルカーは、実験的な対話を記録したビデオインスタレーションのなかで、彼のライフストーリーをリスナーに伝える。そしてそのリスナーが新たな聞き手にその話を伝える。この伝言ゲームのような行為が繰り返されるなかで、ライフストーリーの筋が各聞き手の記憶力や伝達力の不足により変化されていく。ゴルカーはこれを脳の科学的欠陥とみる。そしてもう一方で彼は理性的欠陥とでもいえる心理状態のゆがみを指摘する。つまり、伝言の正確さを問わずにコミュニケーションを楽しもうとする態度のことだ。わたしたちのコミュニケーションはいわば自由の域を超えた空間にある。人間の対話の根本ともいえるこの仕組みをゴルカーは再確認しているかのようだ。また、ポートレートフォトグラフでは、各リスナーがリモートシャッターボタンを片手にポーズをとっている。これも、ビューワーの視覚的描写を試したもので、一見各リスナー自身がシャッターを切っているかのようにみえる。見たまま、聞いたままの情報を疑うことなく受け入れ、その情報を真実とする。この曖昧な態度が、もしかして現代のコミュニケーション法になりつつあるのかもしれない。

ダイジェストに数多くのギャラリーを巡回した後、再度ギャラリーに戻り、お気に入りのアートワークを観覧するもの楽しい。気分は芸術の秋なのかもしれない・・・。

SWARM 4 – A WEEKEND OF ARTIST RUN CULTURE
会期:2003年9月4日(木)〜6日(土)
住所:303 E.8th Avenue, V5T 1S1, Vancouver, BC Canada
TEL:604-689-2907
www.paarc.ca/swarm4

Text and Photos: Aya Takada from SML-(6j6)

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