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90 スクエア・メーターズ

PLACEText: Ania Markham

他の街ではからっきしダメだったものが、アムステルダムで注目を集めるのはなぜだろう?

90スクエア・メーターズというショップがアムステルダム市内にある。中央駅の北側、KNSM島に建設された、かなりモダンなビルにあるショップだ。そこに行くにはフェリーを利用するのが一番だ。このショップは、たまたま通りかかったから、ひょいっと立ち寄るような場所ではない。他の街では、こういったショップを開店するにあたってロケーションを十分に考慮するのだろうが、そういった心配はここ、アムステルダムでは必要ないようだ。人々はわざわざこういったショップに行くために時間を割く。それがアムステルダム流だ。

見た目は普通のショップのように見えるのだが、ショップというよりも、実際はもっとそれ以上のものなのがこの90スクエア・メーターズだ。ショップのオーナーは、イド。2年前に友人とバスと事業をスタートさせたが、現在は一人で経営している。

『クリエイティブで才能があり、そして同じ興味を持った人たちが集まるような場所を作りたかったんだ。もしショップという形をとらなかったら、おそらくバーかレストランを経営していたと思うよ。僕達が好きなことをしたいというのがまず基本。それが、ファッションショーとかアートショーとか、とにかく僕達が刺激的だなと思うものに変身していったのです。』当初は、どこにショップを出すか、なかなか決めることができなかったという。それでもこのショップはここアムステルダムで、どんどん成長をし続けているのだ。

『KNSM島に決めたのは、まず単純にこの地域が気に入ったから。夏に自転車のイベントがこの島で行われたので、何度も足を運びました。街の喧噪から逃れることができるだけではなく、ここにいる人たちもみんな親切。それでもう、この場所に恋しちゃったと言うか。ショップを開くにはかなりユニークな場所だけど、だからといって他の場所にあるショップと似たようなものに僕のショップもなる必要はないと思っています。みんなが手に入れたいなと思っているものを持っていれば、自然と客足はここまでのびてくる。それに特に夏の間は、ここまで来ること自体ちょっとした遠足にもなりますし』。

最初の3ヶ月は、島の人たちが多くショップを訪れてくれたとか。『当初は、アムステルダムからのお客さんはそれ程多くはありませんでした。どうしてそんなに遠い場所にあるんだ?とか、どんなショップなんだろう?という疑問があったのでしょうね。実際に僕達が売っているのは、スニーカーや服、雑誌、そしておもちゃといった商品。遠出をしてまで得る価値のある商品を揃えるように努力しています。僕自身もよくいろいろな街にでかけるので、そういった出先で商品を見つけてきます。何かおもしろいものや場所についての記事を読んだ時は、いつも実際に行動に移すようにしています。それこそ、新しい人と出会ったり、新しい商品と遭遇する手段だと思うからです。口コミもかなりありますね。島の人たちだけを対象に商売をしているショップではない、ということはちょっと誇張しておきたいかな。たまたま島にショップを開いたというだけのことです』。

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ステファン・マークス
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