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オキ・ライブ

HAPPENINGText: Shinichi Ishikawa

デジタルの時代。デザイン、ムービー、ミュージック…。表現者は全てデスクトップでクリエイトできる時代になってきた。これは作業の「効率」という点では素晴らしい進歩であり、普段の僕の感覚だと、良いことばかりで楽しい未来を感じさせるコトである。でも、本当にそうなのだろうか?

今回で3回目を迎えた「ドット・ソーソー」。シフトがプロデュースするカフェ「ソーソー」が毎月開催しているDJスタイルのパーティにに様々なゲストを迎えるクリエイティブ・イベントだ。今回は、旭川市在住、アイヌの血を継くミュージシャン、オキ(OKI)のライブと札幌在住家具デザイナー、アグラ家具、原ななえによるインスタレーションが行われた。DJと空間演出には、前回同様ノードフォーム・クルーを迎え、エレクトロ中心のラウンジな空間が演出された。

会場は、オーディエンスが靴を脱いで入場する。エントランスには階層的にビニールが目の前を遮っていてそれを何枚かくぐって入場することになる。会場はイス、テーブルの大部分は撤去、床にはビニールの保護シートが敷かれ、自由に座って楽しむスタイルになっていた。内装全体は、ビニール素材の多用に加えて、アグラ家具の原ななえによるオリジナルのカーペット「エンマット」やお馴染みの「ロッキンチェア」などのインテリアによって、ポップな空間が作られ、居心地の良い空間が作られていた。クラブ空間というのは、一般的には冷たさを感じさせるスペースになりやすいが、本会場では、暖かく、優しい雰囲気があり、オーディエンスが、アルコールやフードを楽しみながらエレクトロニカなDJプレイや、会話を楽しんでいた。

22時を過ぎ、ライブのためにDJブース前のステージにオキが登場した。東京芸大の出身であり、ニューヨークで映画関係の仕事をしていたという過去を持ち、現在はライブ活動のほか、絵本の執筆などの美術活動も行っているという。詳しくは、オキのウェブサイトを参考にして欲しい。彼の風貌は鬚をたくわえ、民族的な衣装をまとっていても、僕達と変わらない現代人の雰囲気を持っており、親しみやすさを感じた。しかし、同時にアーティストとしてのオーラも感じられた。

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