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ダブラブ

PEOPLEText: Aya Muto

そして一階にあった(ウェブカムでおなじみ)スタジオスペースは二回のオフィスとなりにお引っ越し。『僕らの目標が最初から明確だったのは良かったんだけど、あまりに急激に突進しすぎたんだよね。ちょっと燃料切れといったところ。今はどうも景気が味方じゃないようだし、ただ自分たちのやってることには本当に愛情を持ってるから、それならもう少しスピードを緩めても良いんじゃないかって思い始めたんだ。そしたら驚くことに、言うなればバージョンダウンした現状でも充分に人を動かすことができてるんだ。相変わらずメールでの反応は世界中から有るし、僕らがここでやってることを変わらず応援してくれる。昔からのオーディエンスの支持は特に好意的。今のペースでやっていく大きな自信になっている。これは二カ年計画だから。』とフロスティ。

近ごろのウェブサイトの中にはフラッシュ技術を駆使した「ビーム!テクノ!フューチャリスティック!」といったものが多い中、ダブラブのページはじつにオーガニック。パステルブルーが切り絵のように太い線で描かれたアイコンにちりばめられ、もちろんフラッシュ技術は使われているものの、ミニマルにとどめられている。

『ロブのデザインは機能的に洗練されているうえ目に優しい。色使いもそうだけど、スクリーンを長時間見てても鼻につかないようなプレゼンテーションを心がけているんだ。ロブにはロゴデザインから始まりビジュアル面を全て任せてる。今現在もサイトの機能をコントロールパレット化しようとジェームス(技術班)に機能をデザインしてもらってる。ロブの手にかかるようになるまであと少しだね。インターネットラジオだとどうしてもコンピューターに縛りつけられてしまう。かといって聴いてくれる人にずっとモニターにかじりついてろ、なんて要求をしてるわけじゃないんだ。アメリカはインターネットのモバイル化が遅れてる。でもあと一、二年もすれば普及すると思うんだ。現にすでにモバイル化が浸透してる国も世界にはあるからね。目指すところは、ポケットにダブラブを、なんだ。ちょっとそこまで買物に行く時や、友達とビーチや公園で遊んでるとき、それからドライブしてるとき。そういう生活のいろんな面に僕らの音を提供できるようになれれば、もう言うことはないね。音楽はそもそも社交的なものであるはずだから。』

ダブラブはオーディエンスに優しい。常時スタジオ入りしてる10人のレジデンスDJの他におおよそ50人くらいのファミリーDJがいるわけだが、どれもこぞってのミュージコロジスト。それぞれ使う言語やスタイルはまちまちでも自分の発見を分かち合おう、という姿勢は全員に共通している。黙々とセットをこなして「はい、さよなら」では決してない。『誰だって最初から全てのレコードのことを知っているわけじゃないから、かなりの時間を費やして勉強する。で自分が発見した新しいことを聴いてくれてる人と分かち合いたい。皆それくらいの音楽オタクなんだ。根っからのね。』商業ステーションとは違って無駄なけたたましさや、コマーシャルがない。人間的な喋りが周波に乗って聞こえてくることがこんなに心地よかったことさえ忘れかけていた。そしてメモを取りたくなったことも数多いことをここに白状しよう。ただ現在進行中のコントロールパレット化プロジェクトが完成すれば、曲目が一目瞭然になるとのこと。各々の参加アーティストのページへのリンクも充実する。

ダブラブが媒体となり、様々な都市の良質音楽集団がロスでイベントを行っている。ニューヨークからはビジュアル・プレゼンテーションも楽しいオーガニック・グルーブス、最近では東ロンドンよりソウル+ジャズのムーヴメントによる「A NU SUMMER NIGHT」と称したイベントが、ダブラブチームとのコラボレーションで催された。

そうそう、日本でも同志がいれば「分店」を出したいと言ってましたよ。

ダブラブ特選アーティスト達によるコンピレーションアルバム第一弾「FREEWAYS」が6月末に発売された。

Text: Aya Muto

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