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パリ 2000

HAPPENING

通常7月のパリといえば、夏真っ盛りで、街中を散歩するには絶好の時期なのだが、残念なことに今年の天気は最悪で、外に出て行くのがおっくうな日が続いている。それでも僕は、テレビを消して出掛けてみることにした。


今年の夏、フランスの地方で開催された2つの大規模なエキシビジョン(アビニヨンの LA BEAUTE とリヨンのビエンナーレ)にいまだに圧倒されたままの僕は、フランスの首都パリこそがアートなクリエイションに最適の場所だということを確かめたくなり、オリジナルなものを探しにメトロに乗り込んだ。

エミリーとエリックの友人2人を連れて、アーティストを探しにパリの南西へと向かった。国立図書館の近くの、以前は冷凍倉庫として使用されていた建物を改造した建物が、今やアーティストとミュージシャンに占拠されていて、グラフィティとウォールペインティングで埋め尽くされている。


建物の1つに入ると管理人がいて、残念ながらほとんどの住人はバケーションに出掛けてしまったとのこと。中を探検してみると、何も描いていない壁を見つけるのが不可能なほど、ありとあらゆる壁に絵がペイントされていた。エネルギーとクリエイティブなものを感じさせる場所だった。

アーティストやフォトグラファー、ダンスチームのスタジオに改造された部屋や、ミュージシャン用のレコーディングスタジオなどもあり、ギリシャローマ風にデコレーションされたフロアーは、パリの最先端の人達を出迎える絶好の場所となっていた。もう一度来てみたくなるような、アンダーグラウンドで面白い場所だ。ウェブサイトも要チェック。

また別の日には、友人のリサと一緒に同じ地区を訪れた。図書館の真後ろにあるルイーズ・ワイス通りに出てみると、カフェや店の他に5つのコンテンポラリーアートのギャラリーがあり、それぞれエキシビジョンを開催していた。

PRAZ-DELAVALLADE ギャラリーでは、イヴァ・サロモンがさびれた波止場や港など351作もの水彩画を展示していた。JENNIFER FLAY ギャラリーでは、「ボディー・ビューティフル」というエキシビジョンが行われていて、ジョン・コプランやマイケル・フランソワ、セイドゥ・ケイタなどの身体とその表現、姿勢に関する作品を制作するアーティストの作品を展示。

AILINE RECH ギャラリーでは、 3人の日本人アーティスト、モモヨ・トリミツ、サキコ・ノムラ、シズカ・ヨコミゾによる写真を展示。写真を撮るという行為についての写真展で、作品は面白かったがフォームが少し古典的だったようだ。とはいえ、彼等は、有名なマリコ・モリやミワ・ヤナギ、ダムタイプなどと共に、フランスだけでなくヨーロッパでもジャパニーズアートを代表するアーティストとなっている。

AIR DE PARIS ギャラリーでは、日本文化の魅力を表現するものとして、マンガのキャラクター、アンリーの3Dアニメーションムービーを展示。
フランス人アーティスト、フィリップ・パレノがそのキャラクターの著作権を購入し、短いムービーの中にバーチャルキャラクターの歴史、心理、性格などを作り上げていた。

他の2つのギャラリーでは特に面白いこともやっていなかったので、パリの中心地シャトレ付近の国立近代美術館(ポンピドー・センター)へ向かうことにした。そこに向かう途中で、ファッションデザイナー、アニエスB.の同名のギャラリーに立ち寄った。広くて静かで、すごく心地良いギャラリーで、プログラムもなかなか良かった。イギリス人アーティスト、マーティン・パーが2つの異なる作品を展示していて、ひとつは100以上ものおかしなセルフポートレートのシリーズで、もうひとつは、花の写真のシリーズ。花そのものだけでなく、背景にもフォーカスを合わせた写真は、外の天気を忘れさせるような気持ちのいい作品だった。

ギャラリー巡りの最終地は、国立近代美術館。中では、インディペンデントアートレーベル、PURPLE INSTITUTE(PURPLE マガジンで彼等の作品をチェック)が、アーティストを集めて抽象と感覚をテーマにエキシビジョンを作り上げていた。.

50以上にも及ぶ写真やビデオ、 音楽、インスタレーション作品が展示され、日本人映画監督、タケシ・キタノのポエトリーに満ちた作品や、マサフミ・サナイの魅力的な作品等、オリジナルなものを見ることができた。


数多くのアーティストが素晴らしい作品を発表していて、マリア・フィンのミステリアスなドローイングやジェレミー・ブレイクの哲学的なビデオ、ダイキ・ブレアのカーペットインスタレーション、アンドレア・ジッテルのコケ岩作品などが印象的だった。共通のフォームに留まらない特別なエキシビジョンで、普段とは全く違ったアーティストの姿勢を垣間見ることができた。




この夏フランスの地方で開催された大規模なエキシビジョンも確かに素晴らしいが、その目的は、多くの観客を動員することにある。少なくともアートとコンテンポラリー作品に関しては、パリもまだまだ重要な場所だということを再確認できた。天気のいい日に出掛けてみよう。

Text and Photo: Julien Villaret
Translation: Mayumi Kaneko

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