ロンドン国際アニメーション映画祭 2016

HAPPENINGText: Coco Liu

教員としての肩書きも持つカナダのアニメーター、ポール・ジョンソンは、80年代のゲームと幼少時代を想起させるアニメーションを作り上げた。万華鏡のような動きをするピクセルアートと軽快なデジタルミュージックの組み合わせは、アニメーションであるからこその表現の仕方だ。


「Begone Dull Care」(2015年) 監督:ポール・ジョンソン

奇妙でユーモアがあり予想のつかない面白さのある作品が私のお気に入りだ。ステファン・オービーとヴォンセント・パタル監督による、ストップ・モーション(コマ撮り)作品「The Noise Of The Grey」(2016年) は、『「パニック」と呼ばれた町』に登場するおもちゃのキャラクター達が繰り広げるドタバタ劇で、観客に温かな雰囲気をもたらした。


「Velodrool」(2015年) 監督:サンダー・ジューン

サンダー・ジューン監督による、このシンプルな手書きスタイルは、私のお気に入りのアニメーションの手法だ。自転車競技で、次々と現れる、海や薬物、死といった奇妙な障害物がチャンピオンになろうとする選手達の行く手を阻む。


さよならバルタザール 予告編」(2015年) 監督:ラファエル・ゾンマーハルダー

スウェーデンのこのストップ・モーション・アニメーション作品は、「マーヴェラス・アニメーション」部門で上映されていた。足の折れた孤独なカカシが、貝殻から聞こえてくる音を辿る旅。カカシは希望や人生の良いことに耳を傾ける、がそれは彼の想像の中でしか存在しない。もの哀しいバイオリンの響にのせた、悲しく、詩的な作品だ。ウェブサイトでは作品のメイキングも見ることができる。

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