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進化する次世代エコ自動車

THINGSText: Mariko Takei

ガソリンスタンドならぬ、可動式の水素ステーションも展示されていた。日本では、東京近郊や愛知県、大阪府に12の水素ステーションがあり、水素を供給するだけでなく、そこで製造も行っている。今回、展示された可動式水素ステーションでは、約5台分の水素燃料を満充塡できるそう。水素・燃料電池自動車の開発、実用化を進めていく上では、水素を製造し蓄えておくステーションの開発、発展も必須だ。

進化する次世代エコ自動車
JHFC相模原水素ステーション

全ての燃料を水素でまかなっている車を運転できるようになるには、なかなか時間がかかりそうだが、水素とガソリンの混合燃焼の車というのなら、そう遠くない話かもしれない。気体である水素の輸送の困難を解決してくれる、有機ハイドライト(*)という化合物を利用し、ガソリンとの混合燃料で走る「有機ハイドライト水素自動車」がある。今回出展されていたのは、株式会社フレイン・エナジーフタバ産業株式会社によるもので、水素の貯蔵・供給システムに、有機ハイドライトを利用。燃料となる水素そのものを作り出すのに、風力や太陽エネルギーを利用している。水素の製造、貯蔵、供給がうまくいってこそ、現実的な水素自動車の運用に結びついていくのだろう。

*有機ハイドライトとは、芳香族化合物の水素化物であり、触媒反応により水素を貯蔵したり、取り出したりすることができる。

進化する次世代エコ自動車
E10対応自動車「日産ムラーノ」

ガソリンにバイオマスエタノールを3%混ぜてCO2削減を目指す従来のE3(*)対応車から、混合率を10%程度引き上げたE10対応車も登場した。展示されていたのは、とかち財団によるE10対応自動車だ。もちろんCO2削減率もアップするという。展示されていた車は、ガソリンにエタノールを9〜10%まで混合したもので、今年2月に国内初E10対応車として国土交通大臣の認定を受けている。

*E3とは、バイオマスエタノールをガソリンに3%混合したバイオ燃料のこと。E10は、その混合率が9〜10%。なお、現在公道を走行しているガソリン車は、E3燃料に対応できるものとされている。

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