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知床 2007 冬

PLACEText: Junya Hirosawa

翌朝午前5時。羅臼港。今日は、昨日よりも風が冷たく感じた。午前5時過ぎ出航、港周辺に流氷はない、沖に進む。だんだんと風が強くなり船が揺れ始める。風速は15mほどになった。
沖合い2マイルほど、船は南西に向かう。岬の方と反対方面。羅臼港から数キロ西にいった所で小さな流氷原を見つける。昨日、相泊方面に接岸していた氷本体はもっと国後島(ソ連領)によっているようだ。風が強なくなり、瞬間風速で風速19mを記録した。(下船後聞いた話では、風強くてスケトウダラ漁の船は出港しなかったそうだ)

東の空が白み始めたが、日の出方向は雲に覆われている。氷の固まりが強く、風が強いため、船が安定しないがこの氷に決め、えさを撒く。昨日は、最初は鷲の数が少なかったのに、今日は最初から流氷上に鷲が集まっている。鷲は学習能力が高いのかもしれない。しかし風が強く、鷲たちみな同じ方向風上に頭を向け、じっと寒風に耐えている。

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雲の切れ間から光が差し始め、鷲たちの朝食時間が始まった。

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昨日よりも鷲は船に近づいてきている。今日はアップの写真を中心に撮って行く。二日目なので、鷲のスピードについていけるようになり、シャッターを押せる。約2時間あまり、シャッターを押し続ける。

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今日は、カモメの群れが船を取り囲み時々、ファインダーに入り込む。

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邪魔では有るが、これも自然の一部。
広角レンズに切れ変えて、カモメだけを撮影してみる。

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知床連山は今日も姿を見せているが、風が強いので時々雲に隠れていた。

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午前8時過ぎ、羅臼港に帰港する。港に入ると風は止んで風速1mほどの微風に。沖と浜ではまったく違うのには驚いた。今日は船が揺れたので、夜になっても体がまた揺れていた。こんシーズンは、根室海峡に入る流氷がこれが最初で最後だろうと町の人は話していた。寒いのはいやだけど、来るものが来ないと寂しいわね、と食堂のおばさんが言っていた。来年は氷はやってくるのだろうか?

Text: Junya Hirosawa
Photos: Junya Hirosawa
協力:知床ネイチャークルーズ

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