モジョ・クラブ

PLACEText: Andrew Sinn

95年から96年にかけては、変革の時だった。ショップは閉店され、モジョのスタッフは、更に音楽とクラブに力を入れるようになる。ドラムとバスが導入され、ほぼ全員に近いメタルへッズのDJ、クルーダーの新しいログ・イン・ミュージック、モジョ・クラビングを更にフレッシュにプレイしてくれたドルフメイスターを招いた。レコードシリーズの第二弾「エレクトリック・モジョ」は、2つのコンピレーションと2つのリミックスアルバムで始められた。モジョ・クラブとしての厳しい組織的なアイデンティティーを確立したのは、ラファエル・マリオンヌである。これは、クラブ自体に確固としたアイデンティティーを与えることになった。また彼は、彼独自のクラブナイトをモジョで行う。水曜日は「ル・カフェ・アブストレイト」の日。沢山のソファーがクラブに運ばれ、リラックスできる、かっこいい曲が流れているのだ。

モジョ・クラブの隣は家族経営の中華料理店、「マンダリン」だ。料理を売ったりサービスしたりする代わりに、アジア方面の旅行の販売、アジアのポルノ製品のコピー、レストランのホールで散髪をしたり等して経営をしていた。しかし99年、家族はまるでまだ彼等がそこで生活しているような状態のまま突如、姿を消した。そこで、この空いてしまったスペースを何か特別なことに使えないか、と考えたのがモジョのスタッフである。「ザ・マンダリン」という名付けられた最初の大きな部屋に「踊らないクラブ」というのを作った。ソファーと木製の小さい敷居が個室を作っているが、小さいユニットの中にある部屋、という感じではない。

クールでレトロな現代的な家具には、巨大な竜が赤いギラギラとした目で天井にいるような多くの中国的の崇高な駄作が散らばっている。ザ・マンダリンでは絶妙な味のドリンクと刺激的なラウンジミュージックを楽しむことができる。オープンから一年後には満員になる程人を集めるようになったザ・マンダリン。そこでバックルームを静かなオアシスとして更にプライベートなクラブとしてオープンさせた。ここに行くには、特別なアクセスキーが必要になる。それと引き換えにそこでは、もっとリラックスすることができるし、お望みなら周りを囲む家具の趣を融合させるようなテレビゲームで遊ぶことも可能なのだ。

2週間前に3店目のクラブがオープンした。その名も「マンダレイ」。今回もダンスフロアーがあるクラブなのだが、その名前、スタイル、そして音楽はマンダリンのラウンジの雰囲気に近いものがある。私たちは先週末に実際に行ってみてそれを確かめて来たのだが、フライヤーやポスター等の宣伝もしていないのにも関わらず、そこに集まった人の多さに驚いた。オープンを待っている場所があと2つあるんだ、とレイフが教えてくれた。どんな空間が待ち受けているのか、私たちは興味津々なのである…。

Mojo Club
住所:Reeperbahn 1, 20359 Hamburg, Germany
TEL:+49 (0)40 319 1999
https://www.mojo.de

Text: Andrew Sinn
Translation: Sachiko Kurashina
Photo: Courtesy of Mojo Club

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