川元陽子展

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スクラップ、捨てられた車、工場、動物、人物など、日常通り過ぎる何気ない風景をモチーフに作品を手掛けるアーティスト、川元陽子による個展がTOKYO CULTUART by BEAMSにて10月16日より開催される。

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川元陽子の絵画には、一貫して所在なげな空気が漂っている。広角で描かれた風景たちは車窓から一瞬だけ見えたものを切り取ったかのようで既視感を抱くものの、容易に寂寥や郷愁などの感情を喚起しない。或いは描かれている車や廃材を消費文明に対するアイロニーや機械への偏愛といったメッセージへと結びつけようとしても、いささか焦点が希薄である。緩慢に朽ち果てていく彼らの姿からただ読み取れるのは、形あるものはいずれ壊れるという自然の摂理である。日本では千利休の時代から作為を厭う美意識が受け継がれているが、川元は利休が朝顔を一輪差しすることすら許さないラディカルな無作為美主義者と言えるのかもしれない。

川元陽子展
会期:2010年10月16日〜11月4日
時間:11:00〜20:00(不定休)
オープニングレセプション:10月16日 17:00〜20:00
会場:TOKYO CULTUART by BEAMS
住所:東京都渋谷区神宮前3-24-7 3F
TEL:03-3470-3251
https://www.beams.co.jp/tokyocultuart/

Text: mariko takei

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