『また、このレストランは戦略的にセルフサービスの順番を組み立てています。一般的に、先に高額な料理を取ることで炭水化物やたんぱく質を取り、その後でサラダを取りますが、当店では順番が逆になっています。風味付けされたものであれ、火を加えられたものであれ、まずは野菜から取るようになっており、最後にたんぱく質が置かれているため、たんぱく質をベースとした皿ではなく野菜をベースとした皿ができあがり、お客様にとっても自然環境にとってもより健康的な効果をもたらします。お客様が空の皿をお持ちになり、鶏肉のコーナーにさしかかると、ほぼ間違いなく胸肉を数切れお取りになるでしょうが、その時点で皿がほぼ野菜で満たされていれば、半切れしかお取りにならないでしょう』とイェンスは説明した。これがすなわちサスティナビリティであり、より良い地球環境の保護に寄与するのである。

鮮魚のような非常に新鮮であることが求められる、よりデリケートな食品の場合はどのようにするのかを尋ねてみた。『「60kgのサーモンを」とは注文しません。「60kgの鮮魚を」と注文するのです。卸売業者は当店以外の顧客に食材を届けてから、何が残っているのかを確認するのです。当店にはメニューがありませんので、サバ25kg、サーモン20kg、タラ18kgといった具合で構わないのです。どんなコースにも、どんな一皿にも変えて、お客様にお出しすることができますから。私はヨーテボリに友人がいるのですが、彼は自身の農園で紫ニンジンが採れすぎて困っていました。私が「何が問題なんだ？紫ニンジンは美しいし、高価だし、流行っているじゃないか。」と言うと、彼は「スーパーマーケットなどでは買う人がいないってことが問題なんだ。90％以上の人がオレンジ色のニンジンを買いたがる」と話すのです。彼は紫ニンジンを捨てる直前にまで追い込まれていたため、私は「うちの店で丸ごと買い取ってやるよ」と言いました。4パレット積みくらいだったでしょうか。焼き色を付けたり、ローストしたり、ディルで風味付けしたり、レモンで風味付けしたり、スープにしたり…。数週間紫ニンジンをお出ししました。その友人の選択は畑に帰すといったものでしたから、結果的にその紫ニンジンを無駄にせずに済みました。」』とのことである。

また、メニューの代金を上げたり、がらっと変えたりせずに、より魅力的な料理を提供するという選択自身にも興味があり、そもそもそれは一つの選択だったのかどうかについても尋ねた。イェンスは『そのご質問にお答えするにはホタテが良い例でしょう。ホタテの中で最も高価なものはスキューバダイバーが手で獲ってきたものです。実は、このようにホタテをお出しするレストランはスウェーデンでは4店舗のみです。当店では1日だけお出しすることができました。ある取引業者が、月曜日の時点でホタテが60個残っており、それが売れるのはその週の金曜日になってしまい、その頃までには痛んでしまう、という状況に追い込まれていました。そこで彼が当店に連絡してきて、われわれはそのホタテをランチにお出ししました。貝殻の重さを含めて１つ約30スウェーデンクローナでした。スキューバダイバーが手で獲ってきたホタテが約3ドルです。スウェーデンでは非常に安価で、あり得ないくらいお値打ちです。』と述べた。

イェンスはこのようなよい卸売業者をどのように探すのかについても少し教えてくれた。『最初はすべての卸売業者に電話をして、頼みまくりました。ですが、いまではただ座って待っているだけで彼らの方から声をかけてきます。当店のような店がここにあるって彼らの方が覚えてくれましたからね。食品に何か「まずいこと」が起こったら、電話をかけてきて、われわれはそれを購入するのです。』

K-マルクトのランチの平均額は約100～150スウェーデンクローナであるが、あなたのお腹のすき具合に左右される。スウェーデンにおいて、驚くほど良心的な価格であるだけでなく、アワードに輝いた食事を食べることもできる。懐が喜び、より満足できる食事をいただけ、地球環境の保全にも貢献することができる。加えて、美味しいデザートと噴水のある豪華な裏庭も楽しい経験の一助になるだろう。

K-Märkt Garnisonen
住所：100 Karlavägen, 115 26 Stockholm
営業時間：9:00〜16:00（土・日曜日定休）
TEL：+46 (0)8 466 8890
info@kmarkt.se
https://www.kmarkt.se