ワビサビ写真展「ドロ〜ン」

HAPPENINGText: Aya Shomura

札幌市内に誕生したクリエイティブ複合施設「MUSEUM」(ミュージアム)2階へ6月6日に移転オープンしたクラークギャラリー+SHIFTの展覧会第一弾として、ワビサビの写真展が始まった。

ワビサビはアドバタイジングからグラフィック、オブジェ、映像、インテリアまで多方面での制作活動を行なう、1999年に工藤“ワビ”良平と中西“サビ”一志によって結成されたデザインコンビ。今回は全アート作品をサビが、展覧会のディレクションをワビが担当している。

ワビサビ写真展「ドロ〜ン」

ワビサビの作品といえばオリジナルタイポグラフィーやカリグラフィーの印象が強い、しかし今回は具体的な文字や造形、モチーフなどが一切存在しない。あるのかもしれないが、どんなに目を凝らせど、どれだけ俯瞰をしようとも姿は見えず、新作22点の作品はその名の通りただただ“ドロ〜ン”としている。

そんな、これまでのグラフィック作品とは一線を画す展示に衝撃を受けながら「これは心の中のモヤモヤ?」「もしかして知ってる何かの亡霊?」と近づいて見つめていると、作品の中の得体の知れない“ドロ〜ン”がこちらに笑いかけ、話しかけてくるようだ。「そんなんじゃないよ」と。それこそワビサビの思う壷ではないか。

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ワビ曰く『いわゆる抽象画は、そこに作者の心情や想いが映し出されるものが多い。ところがこれらの絵は“ドロ〜ン”としたサビの心情が描かれているかというと、まったくそうではない(もしそうであればワビサビは直ちにコンビを解消したい)。サビはあっけらかんと鼻歌まじりに”ドロンドロン”やっている、というのが相方としての見解である』、なのだ。もしかするとこちらの悩ましさとは裏腹に、軽快な作品なのかもしれない。

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たとえば、肖像画の顔が白い煙のように感じられたり、女性にキスをしているように見えたり、美しくたゆたうような作品も血痰のような作品もある。色遣いは違えど、いずれも油彩の平面と不透明なゼリー状素材による立体を組み合わせたような不思議な質感も持ち合わせている。木工用の水溶性糊のような“ドロ〜ン”はどんどん増殖しそうでもある。だがあくまでもコンピューターモニター上の正体不明の被写体を出力した写真作品なのである。

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今回のディレクションについてワビは『膨大な数の“ドロ〜ン”と向き合い、今回展示する22作品を選び出すのは容易ではなかったが、ひとつのテーマの中で完結できたと思う』と言う。さて、この“ドロ〜ン”達に囲まれ、あなたはそのテーマを見つけ出すことができるだろうか。

ワビサビ写真展「ドロ〜ン」
会期:2014年6月6日〜7月16日
時間:11:00〜19:00(月曜日・第三火曜日休廊)
会場:クラークギャラリー+SHIFT
住所:札幌市中央区南3東2 MUSEUM2階
主催&キュレーション:クラークギャラリー+SHIFT
協力:まちなかアート
http://www.clarkgallery.co.jp

Text: Aya Shomura
Translation: Yoshisato Komaki

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