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火炭芸術村

香港の中心から南に位置する、火炭芸術村(Fotanian)。かつては香港の主な工場地帯の一つだったが、2000年以来多くの製造業が中国本土へと移った為、工場だった多くの建物が空虚となり、芸術家が広い制作スペースを求めて移り住んでいる、香港地区で最大の芸術群落である。

火炭芸術村火炭芸術村

スペースの多くは芸術家のアトリエとして利用されている為、普段は一般の人は入ることができないが、2003年以来年に一度、オープンスタジオプログラムが組まれ、一般の人でも、若いこれからの芸術家や、大作に取り組む作家の作品を見にアトリエスペースを訪れる事ができる。このオープンスタジオプログラムは、移り住む芸術家の数に比例して年々訪問者数が増え、今年2009年には アートとクリエーティブ文化のハブとして2008年に設立されたジョッキー・クラブ・アーツ・センター(JCCAC)と同時開催を試み、49のスタジオと170人以上のアーティストが参加し、1万人以上の芸術愛好家が訪れた。

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アート関係のスタジオやアトリエは、火炭村にある18の工場ビルの空きスペースに点在している。その中で最も多くスタジオがある號華聯工業中心(ワリュン・インダストリアルセンタービル)が中心的存在となり、今回はその中のUnit A側のビルに入っている、現代アートの展覧会や音楽・パフォーマンス等のイベントを手掛けるブルー・ロータス・ギャラリーと、その隣のUnit Bにアトリエを構えるクリストファー・クーという現代アート作家を訪れた。

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香港のギャラリーが集まる中環(Central)のSOHOエリアでは大きなスペースを構える事が難しいが、この火炭では十分な展示スペースを確保できると、2007年にサラ・ヴァン・インゲルゴンによって設立されたブルー・ロータス・ギャラリーは、5階にメインスペースを、1階にサブスペース「Stage1」を構えている。メインスペースには、山を背景に大きな窓が2つあり開放的な空間となっているが、日中は日差しが入る為、窓のないホワイトキューブでの展示が好ましい展覧会はStage1のスペースを利用するとのこと。

現在、Stage1では 東京のアートマネージメントオフィス「ARI」に所属の吉光健大の個展「FLaT DaNCe」が開催されているが、この展覧会はホワイトキューブを金魚鉢に見立てた空間作りをしている為、メインスペースの使い分けとしてStage1の小さな空間を有効利用している良い例と言えるだろう。

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ディレクターであり、オーナーのサラ曰く、何かのついでにふらっと立ち寄るのではなく、目的を持って訪れる事により、十分な時間をかけて作品と向き合う事ができる為、訪問客の中には2時間かけて一つの作品と向き合う人もいるという。

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クリストファー・クーは、ブルー・ロータス・ギャラリーの所属アーティストであり、現在は、香港アートセンターで講師をし、また自身のアトリエで絵を教えながら作品への探求を続けている。アトリエは広大で、そこで生み出される作品は、彼のアーティストとしてのスケールの大きさに比例するかのように大胆でありながら、人間の根底にある本来の感覚を呼び起こされる奥深い表現が緻密に構成された作品である。

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火炭芸術村は、東鐵線(East Rail)の東尖沙咀から6駅目に位置する火炭駅で下車し、タクシーに乗り5分程度で到着する。東京に住むアーティスト同様に制作スペースに悩む香港のアーティストが、香港の中心からものの30分しか離れていない緑溢れるこの火炭の地で、日常の慌ただしさから離れ、制作に没頭できる充分な空間を持てる事が、今後の香港のアートの発展の鍵となる事を願っている。

Fotanian(火炭芸術村)
住所:香港新界火炭黃竹洋街 / Wong Chuk Yeung Street, Fotan, (N.T., close to Shatin)
TEL:+852 9719 4729
http://www.fotanian.com

Blue Lotus Gallery(ブルー・ロータス・ギャラリー)
住所:香港新界火炭黃竹洋街15-21號華聯工業中心A座
営業時間:木〜土曜 13:00〜19:00
TEL:+852 2526 6716
http://www.bluelotus-gallery.com

Text and photos: Yuka Nakamura (ARI)

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