ZUNE オリジナルズ

THINGSText: Yoshitaka Futakawa

中央にあるバーでは飲み物が振る舞われ、また、高橋信雅による巨大なキャンバスを使ったライブペインティングのパフォーマンスもあり、その場でサイレントオークションにかけられていた。その脇にはDJブース、そしてその向かい側にはひと際大きな人だかりができている。そう、そこで今晩発表されたばかりのZuneに好きなデザイン、色を選び、無料でオーダすることができるのだ。

Zune Originals

『つまりカスタマイズすることによって、デバイスそれぞれに人と違った個性を与えてあげること。既にシューズメーカーが試みているようにね。』とプロモーション会社の人は話す。

Zune Originals

一つの枠にとらわれずに活動しているアーティスト、高橋信雅は『作品を制作する時には、いつも作品の向こう側にいる人のことを考えている。その人がこちらの意図や技術を理解してくれるかどうか、ある意味かけひきのようなものかもしれない。』と気さくに話してくれた。今回はその人が即ちエンドユーザーにあたるのであろう。

Zune Originals

今晩この場に居合わせたものにとって、アーティストが制限を設けられずに制作活動に専念できたという事実を理解することは、それほど難しいことではなかったであろう。アーティスト自身も、どういったかたちでのコラボになるのか最後まで分からなかったことは、彼らの制作意欲をかき立て、優れた才能をかたちにすることに繋がったかもしれない。そして、それらは全てこの作品の多様性に反映されている。

既に他の業界でも確認されるように、消費者の関心が価格やスペック、インターフェイスデザイン、互換性と同じようにカスタマイズにも向けられるようになるのだろうか。その時には白色以外のイヤフォンを目にする機会も増えるに違いない。「You make it you!」と言うように。

Text: Yoshitaka Futakawa
Photos: Yoshitaka Futakawa

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