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アルテピアッツァ美唄

PLACEText: Tim Engel

安田侃が彫刻に用いる原料の全てが、大理石とブロンズであり、白と黒、光と闇、生と死のテーマを持つ。ブロンズの彫刻はほとんどが粗い表面であり、白い大理石はなめらかで繊細な表面をしている。さらに印象的だったのは、そういった原料と自然のコントラストであった。青々と育った太陽の下の葉や草に、この白い大理石がたたずむ様子は、ただただ素晴らしく、美しかった。

大きな彫刻の全ては庭に位置していたが、いくつかの小さな作品は、古い学校の建物と体育館に置かれていた。改装された学校の建物は、古い床板と壁にかかった木製のパネルが残されている。床板は歩くときしきしと鳴り、ノスタルジックな雰囲気を作り出す。おそらく、そこで学んでいた生徒達の記憶も含んでいるからだろう。そしてここでもまた、建物の至る所に置かれた白い大理石と、古くて茶の自然のままの木のコントラストという美しさを感じる事ができる。体育館も同様で、木製の建物の内装や典型的な丸天井が、暖かさを持っていた。

安田侃が彫刻のために取り入れたもう一つの要素は水であった。校舎と体育館の間は「てんもく」という水の遊び場になっていた。その遊び場は、2本の柱を持つ大理石のゲートから成っており、そのうちの1本が水路にまたがっている。他の2本は大理石の床に位置していた。その彫刻は、一方が静止し、もう一方が動いている。「てんもく」の下を流れる水は、時間の流れを思わせた。石と水面の狭いスペースは、楽園と地球の間にあるスペースのようであった。この場所は、中央に教育舎を持つ、子供達の大きな遊び場であるように見える。安田侃は、我々の未来である子供達に刺激をうけ、この場所を子供達のためにつくったことを後に知った。

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