ウェスト・クーロン

PLACE


つい最近まで「ウェスト・クーロン」は、香港の九龍半島西部という地域の名前でしかなかった。しかし、今では、この言葉は、話題となっているウェスト・クーロン文化地区の人手不足という意味を持つようになった。400億ドルもの開発プロジェクトが、停滞している産業地域を、4つの美術館、3つの映画館、コンサートスタジアム、屋外の円形プール、デザイン学校、空中庭園、高層ホテル、オフィスビル、ショッピングモールなどで成る「文化とレジャーのための地域」へと変化させようというものだ。以前の図版を見れば、この通り載っている。

現在、このプロジェクトを中心に、すべての立場から批判を伴った大変な論争が沸き上がっている。このプロジェクトに選ばれなかった開発会社が、影で取り引きをしたと政府を告訴し、アーティストたちは、これについての充分な相談がなされなかったこと、すべての複合施設がアートよりも商業に焦点をあてるだろうことにクレームをつけている。香港交響楽団の指揮者エド・デ・ワ−ルトは、ウェスト・クーロンの最近の決定を「話にならない」と述べた。さらに、この件についてもっと厳しい言葉も出ている。

それが功を奏して、今春、数ヵ月間に渡り、香港政府が異なる会場で展示会を開催し、人々はプロジェクトに対する意見を交わすことができるようになった。現在は、シティホールの大展示場で、ウェスト・クーロンのプランが様々な側面から紹介されている。ディベロッパーによるプロモーションフィルムが大きなビデオスクリーンで流され、計画されている建築物を俯瞰した精巧なスケールモデル、タイムスケジュールや地図、地域の目的をもっともらしく詳細に書いた巨大な壁面パネルが展示されている。また、暗くしたキャビネットセットが壁に組み込まれ、その中には、訪問者にすべての角度から見て理解してもらおうと、回転するお大掛かりな「円蓋」構造をライトアップしたミニチュアもあった。

月曜の午後でも、このプロジェクト、それにまつわる論争の嵐を理解し、この問題について自身の見解を持とうとする地元の人々でギャラリーは混雑していた。また、コンピュータ−の端末、あるいは用紙で意見を寄稿することができた。すべての来場者はDVDとパンフレット数冊を持ち帰った。また、ほとんどの人が提案された地域に対しての意見を残していった。しかし、どのくらいのディベロッパーがおそらく役に立つであろうこれらの声に注意を払うのかは、わからない。

West Kowloon Cultural District
Public Consultation Exhibition
会期:2005年2月5日〜3月28日
会場:Low Block, City Hall
住所:5 Edinburgh Place, Central, Hong Kong Island, Central MTR Exit K
TEL: (852) 2921 2840
http://www.cityhall.gov.hk

会期:2005年4月16日〜6月30日
会場:Hong Kong Heritage Museum
住所:1 Man Lam Road, Shatin, New Territories, Shatin KCR Station
TEL: (852) 2180 8188
http://www.heritagemuseum.gov.hk

Text and Photos: Samantha Culp
Translation: Ayako Yamamoto

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