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2003年のニューヨークの大雪

HAPPENINGText: Rei Inamoto

僕は、SHIFTに1999年から記事を書いているが、アートやデザイン、またはカルチャーに関連していない事柄について書いたことは、ほとんどない。実際のところ、2001年の9月に一度あるのだが、それは世界貿易センターが崩壊した、9月11日についてだ。

今年のニューヨークの冬は、一段と寒さが厳しい。極寒。凍てつくような寒さ。僕は、約5年半ニューヨークで生活しているが、今年は今までで経験した中でも一番寒い冬ではないかと思う。12月の何日か、そして1月と2月のほとんど毎日の平均気温が0℃以下。気温が氷点以上になると、思わず「暖かい」と思ってしまう程。これは比較的な話だが、実際のところはこのような感じなのだ。

北日本の主要都市、札幌を拠点に活動しているシフトのスタッフにとっては、雪や寒い気候はそれ程大した問題ではないだろう。もしかしたら、ニュースにする程の事柄じゃないのかもしれない。しかし、一日で約57cmの雪が降ったり、ニューヨークの観測記録史上2番目の積雪量を記録したりしたら、それはもう現地では大騒ぎなのである。このような事態は、まず頻繁には起こらない。だからこそ今回、「2003年のニューヨークの大雪」、として紹介するに値する出来事なのではないかと思ったのだ。

ある土曜の夜に、友達二人と映画を見に出かけた。気温は氷点下だったが、僕らはもうすでにこの寒さには慣れっこ状態。僕はどちらかと言えば、例えばカリブのビーチのような陽気な天気の方が好きなのだが、でもこの寒さは自然な現象。この冷え冷えの天気は、どうすることもできないのだ。

テレビのニュースでは日曜の夜まで、暴風雪に注意するようにと警告を発生していた。そして目覚めた月曜の朝、街はすっかり銀世界に。大寒波がニューヨークの街にやってきた。しかも相手はなかなか手強そうな様子である。

アメリカの北部にあるバーモント州に住んでいた友達は、たった5cmたらずの雪でさえ、てんてこまいになっているニューヨークの街を笑っていた。彼によるとバーモント州では、約70cmぐらいの積雪を超えてから、初めて交通機関に支障がでるらしい。こんなニューヨークを見て、彼が思わず笑ってしまうのも無理はない。実際に、郊外の空港のひとつはこの雪で閉鎖。電車もなんとか運行しているといった状態だった。

西海岸にいる僕の弟からは、今シーズンの雪のコンディションは芳しくない、という情報を聞いた。東海岸はスキーリゾートとしては知られていないが、今年などはまさに大盛況状態。2003年の大寒波が大繁盛へと繋がったのだ。

スキーやスノーボードなど、ウィンタースポーツ愛好者にとっては、バンザイな状況だ。思う存分楽しもう。

Text: Rei Inamoto
Translation: Sachiko Kurashina
Photos: Rei Inamoto

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