「リビング・トゥモロー」

PLACEText: Schiettecatte Jan

リビングルームが自動的にスライドし、キッチンへと導かれる。キッチンの設備やハードウェアが視界に入っては消え、光のバリエーションの中でその色までも変えてしまう。食事の用意をする装置が異なる皿を「認識」し、それに応じて自動的に冷やすか温めるかを決定する。このキッチンで唯一動かすことのできないものは、インターフェイスでエージェントと接続されたフラットスクリーン端末。生物統計学的に保証された支払い設備により、簡単にかつ安全にオンラインショッピングを楽しむことができる。

階段を登ると「ホームシアター」が繰り広げられている。このエリアは、プロジェクターシステムを使い、音響効果を最大限に活用した構造で最高の映画鑑賞を可能にするべく離れた場所に孤立して設置されている。

その隣は寝室となっている。寝室では、眠る人の体型に合わせて適合するプロセッサー制御のベッドを試すことができる。この様子は天井に上品に隠れているレールから吊るされたプラズマスクリーンのモニターでインタラクティブにチェックすることが可能。このレールにより連続した情報の流れを可能にし、住人はスクリーンをバスルームにまで連れていくことができる。バスルームでは、全ての物が経済的に能率が良く、衛生的であるように考えられている。未来のバスルームでは、水を必要としないトイレや声に反応する蛇口などが実現するだろう。

次は子供部屋へ。ストレスを緩和する丸くカーブした壁や特別にデザインされた鮮やかな色の家具などがあり、ウェブカム付きのラップトップパソコンにより、勉強机に座っている様子を離れた場所から観察することができるようになっている。ネットワークテクノロジーの出現により、距離的な問題はもはや廃れたものとなり、「ホームオフィス」がより重要になってきている。私達は、明日のインタラクティブなマルチメディアに簡単に出会うことができるのだ。

バーでドリンクを一杯飲み、ツアーが終了。そのバーには空気排除システムのスマートなアプリケーションが設置されていて、目に見えない空気のバリアによってスタッフとクライアントを隔て、それによって衛生を高め、ギャラリーを外の嫌な臭いから守ることができるようになっている。

様々な都会のエリアに設置されたプロジェクトを伴った未来のプラン。設立者は、他大陸における社会地理学上の違いとの相互作用から生まれる発見が知識のシェアを可能にし、コンセプトにさらなる価値を与えることを期待している。

Living Tomorrow
住所:1 Indringingsweg, 1800 Vilvoorde, Belgium
TEL:+32 2 263 0133
https://www.livingtomorrow.be

Text: Schiettecatte Jan
Translation: Mayumi Kaneko
Photos: Schiettecatte Jan

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
MoMA STORE