ストックホルム・パブリックアート
1937年、ナショナル・パブリックアート・カウンシル(NPAC)がスウェーデンで設立された。元々のアイディアは、第一次世界大戦の直後に不景気で経済的に苦しんでいるアーティスト達をサポートするというもの。今回僕達は、ストックホルムを一週間まわって、永久的に存在するパブリックアートを見つける旅に出た。
ストックホルムのクングスホルメン島にある警察署/刑務所。間違ったアートコラボレーションの例と言える。側を通り過ぎると、恐怖以外の何も感じられない。
何年もの間NPACは、アーティストがより多くの大衆にアクセスすることができる環境を可能にしてきた。1997年、NPACはより広い意味でプロジェクトを支援する権限を与えられ、今日では、リニューアル中の人口センター、新旧住宅エリア、交通エリア、校庭、教会、街の広場などを手掛けている。また、ストックホルム近代美術館との協力により、アブソリュート・ウォッカとIKEAの広告コラボレーションの復元としてのプロジェクト「アブソリュート・ストックホルム」が、オランダ人アーティスト、リスベス・ビックとジョスバン・デルポルによって今年1月に実現した。
主に、アーティストを建物の全過程の一部とすべく、新しいものが建てられ、または何かが改築される時に作品制作を依頼する。またNPACでは、展覧会での買い付けも行っている。
近代美術館での巨大なインスタレーションの一部。写真提供:近代美術館
ストックホルム、ウォリンガタンにあるナショナル・アートカウンシルは、火曜日から金曜日の13:00-16:00のあいだ一般に公開され、ギャラリーだけではなくパブリックアートの写真なども見ることができる。新しくできたばかりのギャラリーでは、パブリックアートがいかにして生まれたのか、その過程についての説明や、めったに語られることのないストーリーなどを紹介している。このパブリックアートのアーカイブは、この種のものの中ではスウェーデン最大規模で、2000ものスライドを全て無料で3週間貸し出ししている。
写真:ジョエル・ブロスジョー
ウォリンガタンで現在開催されているエキシビジョンでは、ナショナルアート・カウンシルのウメア大学の化学生物学センターのためのプロジェクト「NATURE OF COLOURS」がどのようにして生まれたのかを、絵画とフィルム両方で展示している。
Text: Andreas Pihlstrom and Joel Brosjo from NJIN Theory
Photo: Pepe Biroun Vand