マクドナルドのスヌーピー

THINGSText: Shinobu Koike

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9月から10月にかけての28日間、マクドナルドが毎日違う国をテーマにした衣装に身を包んだ5センチ程のスヌーピー人形を売りだすキャンペーンを行い、香港市民を日々熱狂ささせた。バリューセット+6ドルで購入できるこの人形のために、人々は早朝から日々マクドナルドの前に列をなし、ついには社会現象にまでなった。

商品の性格からいってこれは、もともと子供向けのものであった。にもかかわらず結果として大人が本気になった理由は、全種類を集めて一セットになったものを転売して利益を得るというシンプルなもの。お金がからんでいるから、列を抜いた抜かないで殺気立ち警察沙汰になったり、無理がたたって貧血で倒れても救急車を拒み列に残ろうとしたり、自分の祖母を朝の6時からマクドナルドへ派遣して、一気に6個、7個と入手したりと、「スヌーピー人形のためにねー」と思ってしまう話しが日々あった。ガラスが人波で壊れてしまった店も。そして、キャンペーン終盤には、棄てられるハンバーガーが増えた。

もちろん純粋にコレクターで集めていた人がいたのも事実。でも、今回の熱狂の大部分は集団心理に近い感じがした。自分は興味はないけど、いい話らしいから、という類の。バブル絶頂期に不動産を一般市民がこぞって投資目的のために購入していたことが頭をよぎる。今は、不景気で不動産価値は激減、彼等は窮地に立たされている。この二つを結び付けるのは金額の規模も違うし無理があるかもしれないけれど、どこか似てはいないだろうか。

現在、マクドナルドはキャンペーンは終了したものの、スヌーピー人形の追加生産を発注中とのこと。ようやく、子供の手にスヌーピーが届くことになりそう。

Text: Shinobu Koike

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