ジェイアール・アット・ルーブル美術館
NEWSText: Aya Shomura
フランス人アーティストのJR(ジェイアール)が、パブリックスペースへの作品展示として世界最大のギャラリーを選んで話題となっている。ルーブル美術館のガラスのピラミッドへのインスタレーションとして「ジェイアール・アット・ルーブル美術館」が6月27日まで開催中だ。
ここ10年ほど、彼の巨大な写真作品は世界各都市の壁、家々の屋根や様々な場所に展示されてきた。「一番大切なことは、僕が展示する場所とその意味だよ」とJRは説明する。場所が中東であろうと、リオデジャネイロやケニヤ、ニューヨーク、ルアーブルや上海のスラム街であろうと、彼の作品には誰もが無関心ではいられない。なぜならば作品の中の視線がこちらを見つめ、我々の内面に迫って来るからだ。壮大な規模で「その場所に介在する」ことで、芸術的作品とは何か、グローバリゼーション時代における写真の役割とは何か、そして小さなコミュニティーやサークルから(SNSなどを通じて)広く拡散されていく用途の意味などの疑問を投げかけてくる。
本展の会場となる「世界最大の美術館」(=最も自撮りされる場所)で、彼はルーブル美術館のシンボルのひとつ「ガラスのピラミッド」にある仕掛けを行なっている。驚くようなアナモルフィック写真で、ピラミッドを消し去ってしまったのだ。彼は「アートは僕らの視覚や、理知的な観点への疑問を呼び起こしてくれる」と語る。
JR at the Louvre
会期:2016年5月25日(月)~6月27日(月)
時間:9:00~18:00(水・金曜日は21:45まで)
休館日:火曜日
会場:Louvre Auditorium
住所:Musée du Louvre, 75001 Paris
入場:15ユーロ(収蔵作品と展覧会鑑賞の場合)
TEL:+33 (0)1 4020 5317
https://www.louvre.fr
Text: Aya Shomura