“Organising Honey” 2016, Acrylic on canvas, 150 x 120 cm

ロンドンのヴィクトリア・ミロで、コペンハーゲン在住のアーティスト、ジョン・コーナーの個展「リンゴ爆弾」が5月14日まで開催されている。コーナー特有の筆致の軽やかさと絵画的緻密さは、外因的リアリティーと主観的体験の感触のはざまで揺れるような作品を生み出す。

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彼にとって絵画とは曖昧な存在ではなく、実体がなくとも、自転車を漕いで脚のストレッチを行なうのと同様に想像力を鍛錬することなのだ。これまでの作品では、抽象性とメタファーという温度差のある主題を仄めかそうと、性風俗業の人々やアフガニスタンで戦士した兵士など幅広く取り上げてきたが、本展では富の不均衡を含む現代地政学と人口の変移の問題を暗に表現している。

この「リンゴ爆弾」展はありがちな寓話にも思えるが、幸福、人間関係、消費と生存に関する対話をテーマに、一見ちぐはぐな絵画的要素の座標を提示しながら、鑑賞者を巻き込んでいく。何も描かれていないホワイトスペースが放つ光は、鑑賞者に想像の余地を残すという“問題提起”のクオリティーを作品に与えている。

ジョン・コーナー展「Apple Bombs」
会期：2016年4月8日（金）〜5月14日（土）
時間：10:00〜18:00（月曜要予約）
休廊日：月曜日
会場：Victoria Miro Mayfair
住所：14, St George Street, London W1S 1FE
TEL：+44 0(20) 7336 8109
https://www.victoria-miro.com