ル・フレノワ

PLACEText: Valérie Douniaux

北フランスのリールに近いトゥールコワンにある「ル・フレノワ」は、ブリュッセル、パリ、ロンドンのちょうど中間の場所に位置している。1905年から1970年代のはじめまで、映画館、ダンスホール、ローラースケート場、レスリング会場などが合わさった一般的にも良く知られた複合施設だった。その場所が今では“現代アートスタジオ”として世界的に良く知られるようになっている。

Le Fresnoy
© Le Fresnoy

現在のル・フレノワを設計したベルナール・チュミベルナールは元々あった建物の骨組みを残し、それを新しい建物の部分ですっぽり覆い包んでしまった。古いタイル張りの古い屋根から新しいスティールの屋根を結ぶ通路部分では、その建物内部と外観部分の美しい調和を見る事ができる。同じ階のレストランル・ フェスティバルではフュージョン料理や地中海料理を手頃な値段で味わう事ができる。天気のよい時にはメタリックな外観の美しいテラスで食事を楽しむ事ができる。

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© Le Fresnoy

当初ル・フレノワは「エレクトロニック・バウハウス」、「ハイテクなビィラビレッジ」などと呼ばれていたいたが、独自の発展を遂げたこの学校では、教員プログラム、写真、ビデオ、映画、音楽、マルチメディア、デジタル技術等科目をまたいで履修できる事が特色のひとつである。設立者であり校長のアラン・フレッシャーは元々有名な学校で教鞭をとっていて、まさに彼自身が複合的なアーティスト、思想家を体現している人物である。この2年間多くの生徒が世界中からやってきて、教授でありクリエイターである著名なアーティスト達の授業を受講してきた。2012年の秋以降、海外の大学と提携して博士号を取るコースも用意されている。

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© Le Fresnoy

ただしル・フレノワは単なる学校という枠でとてもおさまりきらない場所である。彼らはこの場所を誰に対しても開かれた場所にしようという使命感を持っている。その8,000m2の敷地内では、訪問者は展覧会を見て、映画やパフォーマンス、コンサートを聴いたり、さらにはイベントの時などにはタンゴなどのダンスに参加する事さえできる。年に3回展覧会があり、その内の1回は「パノラマ」と呼ばれる生徒達の展覧会である。これらの展覧会は著名なキュレーターに委ねられており、その展覧会のカタログは市販され本屋で購入する事ができる。図書館は生徒及び外部からの訪問者にも開放されている。

2つある映画館では多くの海外映画とともに生徒の作品が上映されている。ル・フレノワはシネマテーク・フランセーズと提携していて、モントリオール国際芸術映画祭での受賞作品を毎年上映している。ここでは由緒あるシンポジウムも定期的に開催されている。

Le Fresnoy
住所:22 rue du Fresnoy, 59200 Tourcoing, France
開館時間:14:00〜19:00(金・土曜日21:00まで)
休館日:月・火曜日(図書館は金・土・日曜日)
TEL:+33 (0)3 2028 3800
communication@lefresnoy.net
http://www.lefresnoy.net

Text: Valérie Douniaux
Translation: Yuji Shinfuku

[Help wanted] Inviting volunteer staff / pro bono for contribution and translation. Please e-mail to us.
マリアンナ・ドブコウスカ
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