スピンによると、中国のバイヤーにもっと近づけるような形も考えているそうだか、現在のところ、ちょうど供給と需要がマッチしているのだそうだ。1一人のデザイナーとクラフトマンのチームは、新作の製作に取り掛かっており、その後、鋳型は、制作化に向けて、景徳鎮（ケイトクチン）の共同仕事場に送られることになる。新作は、３ヶ月毎に発表され、平均すると、デザインから、店頭販売までには、半年から１年を要する。

Under-Glaze Red Double Peach Cups (RMB 180, limited edition: 1,000 sets)

様々な陶器テクニックの中で、アンダーグレイズ・レッドはおそらく最も作成が難しい作品である。というのも、窯で焼く温度には、非常に気を使わなくてはならず、焼工程では、厳格な温度調整が必要とされるのだ。その上、内火の下から、朱色を入れていかなくてはいけない。そういった事情もあり、よく焼きあがったアンダーグレイズ・レッドは、非常に貴重で、元王朝時代にまで遡っても、成功した作品はないと考えられている。

Tea Set for One (RMB 280/set)

ワンのアイディアと、レストランオーナーのジェレミー・クオと、そしてスピンが力を合わせて、独自に台所用陶器をクオズシントリ＆ピープルレストランのために製作し始めた。今日、台所用陶器は、20人民元から6800人民元の価格帯で、（アメリカドルで$3から$983）、手頃な値段を付けているが、スピンの作品が手に入りにくくなっているのは、周知の事実である。6800人民元については心配しなくても大丈夫。その価格は、無駄遣いしたくなった時に直面する金額で、そうでなければ、お店で目が飛び出るような金額の商品に出会うことはほとんどない。そんな中でも、お手頃価格のマグパイお茶セットや祝い酒カップ16コレクションなどは特に大人気だ。

Magpie Teaset (teapot RMB 500, teacup RMB 50/each)

スピンは「ファッショナブル」や「トレンディ」などとは、一線を画して輝きを放っている。デザインの目指すべきテーマは、「シンプルさ、エレガントさ、緩やかさ、滑らかさ」である。当然、それに耐えうるだけの試験は充分にこなしている。上海に住む者にとって、中国が誇る良質デザインの食卓用陶器と言えば、最高ランクに、スピンの名前が挙がってくる。実際、スピンは、ウェブサイトを持っていない。にも関わらず、その人気は衰えを知らない。また今日も、多くの人たちがお店を探し出し、いつのまにかスピンの素晴らしさに魅了されていくのだ。

Spin
住所：758 Julu Road, Building #3, 1F, Shanghai, PRC
TEL：+86 21 6279 2545